老後の資金計画の考え方

65歳から年金を受給するとしたら、アラフィフ世代が老後の生活資金をゆっくり準備することは出来ません。2018年「家計調査報告(家計収支編)」の単身無職世帯の月々の家計は、消費支出が149,603円です。この数字をベースに老後資金について考えていきましょう。

とはいえ、何をどう考えていったらいいのかわかりません!という方がほとんどでは。そこで、このページではファイナンシャルプランナーに相談する方法と、自分で考える方法の2パターンご紹介します。

FP(ファイナンシャルプランナー)に老後の資金計画を相談してみる

ファイナンシャルプランナーイメージ

そもともFPってなに?

FPは、1人1人が持っている目標や夢に向かって、お金の面で問題解決のアドバイスをする専門家です。住宅購入・教育・老後などのライフプランに沿って、資金計画や提案、実行のサポートをします。資産運用・保険・年金・住宅ローン・税金・不動産などの多岐にわたって相談できます。

信頼できるFPってどんな人?

FPには資格があり、国家資格として認められているのが、1~3級FP技能士と民間のCFPとAFPです。資格がなくても、ファイナンシャルプランナーと名乗ることは出来るので、どの資格を保有しているのかで、相談するFPを選ぶ基準にしてもいいでしょう。

企業系FPと独立系FPの違い

金融機関や会計事務所・不動産会社などに勤めている企業系FPと、自分で事務所を構えてFP業務を行う独立系FPの2種類に分かれます。

企業系FPは、企業に勤めているので、FP業務を行わなくても、給料は当然もらえます。名刺にも資格を記載できるから、金融機関で働いている人は大体保有しています。

独立系FPは、自分で事務所を構えてFP業務を行なっているので、相談するのに相談料を支払うことになります。保険会社の代理店になって保険販売をして、収入を得てるケースが多いかと思います。

FPにフラットな意見を聞きたいなら、無料相談会などに行くのがおすすめです。

FPに相談するときに用意するもの

相談の内容で、必要なものは変わってきますが、老後の生活資金を相談したいのであれば、家計簿・ねんきん定期便・金融資産の明細などを準備しておくのがいいです。

守秘義務があるとはいえ、金融資産や個人情報を知られたくない人も多いのではないでしょうか。また、FPに相談すると相談料がかかるので、自身で老後の資金計画を考えたい人のために、簡単な方法をお教えします。

自分で老後の資金計画を
考えてみる

国民年金と厚生年金

「ねんきん定期便」が、誕生日月にシーリングはがきで届きます。50歳以上か、50歳未満かで、記載されている内容は異なります。50歳以上の人の書面には、60歳まで同じ条件で加入し続けたとして、年金の見込額が表示されています。一方、50歳未満の人は、これまでの加入実績を基に、年金額が表示されています。はがきが見当たらない人は、日本年金機構のホームページ上でねんきんネットに登録すると、パソコンやスマートフォンでも、ねんきん定期便の内容が見れるので大変便利です。

ねんきんネットでは、将来の年金見込額をいろいろなシミュレーションで資産することが出来ます。例えば、60歳以降も働いてさらに年金保険料を払い込んだり、65歳から始める年金受取りを繰下げしたり。見込額ではあるものの、さまざまなケースで試算することができます。

確定拠出型年金(企業型)と退職金

お勤めの人は、確定拠出年金や退職金がどのようになっているかを調べてましょう。確定拠出型年金は、自宅に資産状況のお知らせの手紙が届いていると思います。また、退職金については、企業ごとに違いますので、会社に確認してください。さらに企業年金がある人は、それも忘れず調べましょう。

個人年金など

生命保険などで個人年金に加入している人は、「何歳から」「もらえる金額」「もらえる期間」を手元にある保険証券で確認してみてください。また、満期時に保険金がもらえるものもあれば、いつ(何歳の時)いくら受け取ることが出来るかを調べてみましょう。

おおまかな収入を把握したら、簡単なキャッシュフロー表を作成するとわかりやすいです。

自身が何歳の時に、いくら収入があるかが一目でわかります。詳細に作る必要はなく、メモ書きでも自分がわかる程度でいいと思います。

キャッシュフロー表イメージ
引用元HP:GALA NAVI https://www.gala-navi.com/column/lifeplan/c001391

1ヶ月の生活費はいくら?

1ヶ月に何にいくらくらい使っているか把握している人は少ないかもしれません。意外におひとりさまの老後の生活費は、現役時代とあまり変わりません。収入は減るのに、出ていくお金は変わらないとなると、老後の家計は破綻してしまいます。

まずは、今の1か月の家計の現状を確認して、無駄な部分は老後の生活を見越して、スリム化していくことが大事です。

食費・外食費

おひとりさまで、思いのほか使っているのが外食費を含む食費です。昼ご飯に毎日ランチを食べることはないにしても、コンビニなどのお弁当や仕事帰りの飲み会など。1ヶ月トータルすると、それなりに使っています。ついつい買ってしまう自動販売機などの飲み物も危険です。

携帯電話代

大手キャリアだけでなく、さまざまな会社が参入してきたことにより、選べる料金プランも多くなっています。その中でも、必要最低限の機能に絞ると、大手キャリアより月額料金はかなり安くなります。仮にひと月で5,000円安くなれば、1年で60,000円も節約できることを考えると、デメリットを考慮しても乗り換えを検討する価値はあります。

保険・自動車保険

この機会にぜひ見直したいのが、保険です。現役時代にはあまり負担にはなっていなくても、収入が減る老後には保険料の支払いは、かなりの負担になってきます。加入している保険が、本当に必要な保障なのか。必要な保障であっても、保険会社やプランを変更することで、安くなる場合もあります。

人生100年時代をどう生きる

今のままで、老後の生活を楽しめる資金は十分用意できていましたか?それとも、将来が不安になりましたか?不安を感じた人も、まだ時間はあります。現状の家計を見直して今から資金を準備することも可能です。

人生100年時代と考えると、65歳からも働く選択は、長い老後を楽しむことと生活を安定させることの両方を叶えることができる方法かもしれません。老後のおひとりさまの生活も満喫できるように、アラフィフ世代の今からでも資金計画を立てることが大切です。

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記事監修:中野令子

現在2児の母。出産前までは大手証券会社で長年営業に従事。自営業の夫の仕事を手伝う傍ら、自身の経験を活かし、ウェブライターとして活動中。わかりやすいをモットーに、さまざまな場面でのお金について解説します。

保有資格
FP技能士1級、損害保険募集人、第一種証券外務員