20年後年金はどうなる?

団塊の世代ジュニアが
高齢者となる2040年、
年金は果たして

年金イメージ

2040年に団塊の世代ジュニアが高齢者となる時代を見据えて、厚生労働大臣を本部長とする「2040年を展望した社会保障・働き方改革本部」を2018年10月に設置されました。

2019年5月の第2回会議資料によると、「個々の高齢者の多様性を踏まえ、従来の65歳までの雇用確保措置に加え、様々な就業や社会参加の形態も含 めて、70歳までの就業機会の確保を図り、その活躍を促進する。」「人生100年時代に向けた年金制度改革に取り組み、多様な就労を年金制度に取り込む被用者保険の適用拡大と就労期の長期化による年金水準の充実を目指していきたい」というものでした。

65歳でリタイアせずに、働けるなら69歳までさらに年金を納めると、年金原資は増えます。

短期期間の労働者にまで、保険適用の対象を拡大することで、サラリーマンの配偶者がおひとりさまになった時の、年金の不安も少しは解消され、自身の将来の年金が増えるなら、リタイア後の働くモチベーション向上にもつながる可能性があります。また、働いて年金の受給開始を少しでも遅くすることで、70歳で最大42%受給額を増やすことができます。

厚生労働省が発表している平成29年度厚生年金・国民年金事業の概況によると、ここ数年間繰上げ受給率が低下しており、平成29年度は13.6%です。繰下げ受給はというと、概ね1%程度で推移しています。60歳からの繰上げ受給にすると、年金額は30%減額され、それが一生続くので、考え直す人もいてるのかもしれません。

反対に、繰り下げ受給率が低いのは、70歳以降、何歳まで生きられる?ということが脳裏に浮かび、もらい損なうかもしれないという意識がある結果なのかもしれません。

とはいえ日本女性の平均寿命は87.26歳。それを考えると、繰り上げはけして損する選択肢とはいえません。

今後ライフスタイルに変化が出てくるなら、いろんなケースを想定して、老後の資金を準備する必要がありそうです。

理想の老後は「年金暮らし」
ではなく「老後資金暮らし」

これからは、老後の生活を公的年金にだけ頼っていても豊かな生活が送れる保証はありません。今後はいかに年金生活が始まる前に老後の資金を用意しておくかが重要になってきます。そのためには、公的年金プラスαの年金の検討や、今ある資産を活かしての運用が必要かもしれません。

老後資金を貯めるときに大事なことはリスクですが、アラフィフ世代の場合、あまり長期での運用はできませんので、資産の配分とリスクの取り方には注意しましょう。リスクとリターンの関係は比例するので、ローリスクでハイリターンの商品はありません。堅実な運用を心がけてください。

そもそも「国民年金」とは何か、
その歴史から考える

日本において公的年金制度と呼べるもののスタートは、1875年(明治8年)の海軍退隠令ともいわれています。民間労働者に対する年金制度では1940年(昭和15年)から始まった船員保険法も注視すべきところでしょう。

昭和17年の
労働者年金保険法がルーツ

厚生労働省のホームページに記載されている「公的年金制度の歩みとこれまでの主な制度改正」を見ると、1942年(昭和17年)の労働者年金保険法がルーツで、その2年後には厚生年金保険法と改称されています。

厚生年金保険法こそが老齢給付金のスタートであり、この制度では定額部分にプラスして報酬比例部分があり、現在にもつながる国民皆年金制度となったのが1961年(昭和36年)で、この段階で国民年金制度として確立しました。

高度経済成長期、
すでに認識されていた問題点

東京オリンピックは1964年で大阪万博が1970年。時代はまさに高度経済成長期で、年金制度も物価上昇に合わせるため物価スライド制が採用されたのが1973年。

国民生活が充実していくのに合わせて年金制度も充実化を図っていきましたが、この頃からすでに将来の高齢化社会ではバランスが保てないことや、任意であるために無年金の女性が多いことなど、問題があることは認識されていたのです。

そして、今の基礎年金制度に改正されたのが1985年のことでした。これが現在も続く高齢化への対応策としてのターニングポイントともいえます。

年金受給開始年齢の
過去の上昇推移

経済成長の鈍化や高齢化などが
受給開始年齢の引き上げ要因

年金受給開始年齢の変遷を見ていくと、1942年の労働者年金保険法では年金受給開始年齢が55歳で、1954年に男性が60歳にアップ。1985年の法改正を経て、男性は65歳へ、女性は60歳から65歳へ、段階的に引き上げられてきたという経緯があります。

逼迫し続ける年金財政

今でこそ日本は少子化が問題となっていますが、かつては人口も右肩上がりで増え、年金受給対象者もすべての国民へと拡大してきた歴史があります。

加えて、物価スライド制→完全自動物価スライド制と経済成長に合わせて給付金も増やし、平均寿命が延びたことも重なって、どんどん年金財政は逼迫していきました。

そうするうちにバブルが弾けて経済成長も鈍化、2014年にはマクロ経済スライドを導入するなど単純に年金額を増やす方式ではなくなりましたが、受給開始年齢を引き上げないことには制度を維持できない状況になっているというわけです。

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監修:中野令子

現在2児の母。出産前までは大手証券会社で長年営業に従事。自営業の夫の仕事を手伝う傍ら、自身の経験を活かし、ウェブライターとして活動中。わかりやすいをモットーに、さまざまな場面でのお金について解説します。

保有資格
FP技能士1級、損害保険募集人、第一種証券外務員