老後は年金だけで暮らせる?

老後に年金だけで生活するためには?

厚生労働省の調査によると、65歳以上の世帯の約半数が年金だけで暮らしていることがわかりました(※1)。こうした現実があるからこそ、「老後資金の2,000万円問題」が世間に大きく広がり、多くの人の不安をあおることとなったのです。老後資金に2,000万円を貯めるには、毎月5万円ずつ貯蓄したとしても33年ほどかかります。とはいえ年金だけで暮らすのは、本当に不可能なのでしょうか。

老後に年金だけで生活するヒントは「ライフスタイルを少し工夫する」こと。年金だけで暮らせる可能性を探ってみましょう。

老後の生活費は年齢とともに減る

年金だけで暮らせるかを考えるうえで、「現役時代の支出」と「老後の年金暮らしの支出」は、同じではないことを念頭に置いておきましょう。子どもがいる場合、毎月かかる教育費の支出は、子どもが独立するとかかりません。退職する頃には仕事に必要なスーツや靴などの購入費用も必要なくなり、退職してしまえば飲みにいく回数も少なくなるでしょう。

2019年の総務省の家計調査の結果をみると、50代の勤労者世帯の毎月の支出額は、平均36万円でした。一方60~64歳の高齢者夫婦の世帯では、約27万円。70〜74歳では約21万円。75歳以上では約20万円と、徐々に支出額が減っています(※2)。

一方で、支出の内訳を細かく見ていくと、食費はどの年代でもほとんど変化がなく、逆に交際費や娯楽費などは、現役時代より増えている年代もあります。

財布の紐を緩めていると、赤字はどんどん膨らんでいきます。節約は支出を抑えるために取り入れたいところですが、過度に切り詰めると生活の潤いが失われてしまうため、続かない人はほとんど。年金だけの暮らしを成功させるには、無理なく支出を減らすのがポイントになります。

年金だけで暮らすために心がけること

浪費癖を断ち切る

人によってお金をかける部分は違います。ネット通販でファッションアイテムを購入したり、飲みの誘いを断れなかったり、ダイエット食品に目がなかったり…。ついお金を使ってしまうことは、誰にでもあるでしょう。こうした消費は癖になっていることが多く、老後資金を節約するなら対策する必要があります。

膨大な商品に目移りして色々買ってしまうならネット通販を思い切って止め、リアル店舗でじっくり商品を選ぶ。誘われると断れずに交際費がかさんでしまう場合は、飲みに行かない曜日を作る。テレビやネットでダイエット食品に目がとまったら、すかさずチャンネルやページを変える。というように、意識することが大切です。

もちろん、すぐにはやめられないこともあるでしょう。しかし自分の弱みを認識しておくと、お金を使う際に少し考える隙間が生まれるのではないでしょうか。

「なんとなく」のルーチンを減らす

特に目的もなく、スーパーやコンビニに立ち寄ってしまう方も多いのではないでしょうか。一旦お店の中に足を踏み入れると、買う予定になかったものをつい買ってしまうという、無意識の消費行動をとる方もいます。

こうしたルーチン化した消費を減らす対策としては、まず自分がよく利用するお店がどこかを把握するために、レシートやカード明細をチェックしてみること。そのお店が判明したら、物理的にお店の利用回数を減らします。ネットでの頻繁に買い物をする場合は、カートに入れた商品をすぐに購入するのではなく、一晩おいて時間を空け、本当に必要なものかを十分に考えましょう。

「お買い得品」と「もったいない精神」を止める

「お買い得と言われるとつい購入」、「あと2,000円分購入すると送料が無料になる」、「半額になるクーポンを期限内に使わないのはもったいない」などの理由から不要なものを買い足してしまうといった、販売側のトラップに乗っかってしまう人は要注意です。

対策としては、「特典」の先にはトラップが待っていると常に意識して、誰が得をするのか冷静に考える癖をつけましょう。

断捨離する

思い切って物を減らすと、スッキリした状態をキープしたくなるため、無駄な買い物や衝動買いが減り、自然にお金が貯まるようになります。家にある物を把握しやすくなるため買い物が慎重になり、似たようなものや同じ商品をダブって購入することもなくなるでしょう。

部屋がスッキリすると同時に頭の中や心まで整理され、掃除もしやすくなり、ストレスから解放される方も多いようです。

公的サービスを利用する

シニアになると、公的サービスで割引されるものが増えます。娯楽費を削りたくないのであれば、エンタメやレジャーに、住民割引やシニア割引が使える公的サービスを利用するのも一つの手です。

また家をリフォームする際は、補助金や助成金が利用できます。老後の資金をなるべく残すために、こうした助成金は積極的に活用しましょう。

参照元URL

※1:公共財団法人_老後の収入源は?(https://www.jili.or.jp/lifeplan/lifesecurity/oldage/21.html)

※2:総務省統計局_家計収支編_2019年[PDF](https://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/tsuki/pdf/fies_gaikyo2019.pdf)