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残された家族が老後に受け取れる「遺族年金」の受給額や資格について

夫が先に他界する可能性は、日本の平均寿命をみれば誰もが理解できると思います。そうなると残された妻の生活は、どのくらい保障されるのでしょうか?夫の死後受け取れる遺族年金の受給額を理解している人は、実は多くありません。

ここでは、遺族年金の仕組みや受け取り方、残された遺族が行うべき手続きなどについて詳しく説明しています。夫と離婚したケースも含め、万が一のことについて知識をつけておくことは、老後の安心にもつながるでしょう。

遺族年金とは

一家の大黒柱が亡くなったとき、残された家族に支給されるのが「遺族年金」です。私たちが納付している年金には2種類あり、20歳〜60歳未満のすべての国民に加入義務がある「国民年金」と、会社員が給与から天引きされている「厚生年金保険」があります。

夫が自営業ならば、国民年金のみの納付になるので「遺族基礎年金」が受け取れ、会社員なら「遺族厚生年金」を上乗せして受け取ることができます。

  • 自営業の夫が死亡した場合…遺族基礎年金
  • 会社員の夫が死亡した場合…遺族基礎年金+遺族厚生年金

つまり会社員の妻の方が、遺族年金が手厚いということです。

死亡以外でも、夫が病気や事故で障害を残し働けなくなった場合は、「障害基礎年金」が家族に支払われます。障害は重い順に1〜3級があり、国民年金では2級までが保証対象です。一方で厚生年金は3級までが対象になり、3級より軽いケースでも「障害手当金」が一度だけ支給されるなど手厚い保障となっています。

さらに会社員の厚生年金の半分は会社が負担していますから、「毎月どれだけ引かれるの!」と思っている人もお得な気持ちになりますね。会社員の夫を持つ妻は、万が一の備えが十分あるということを理解しておきましょう。

遺族年金の受け取り方

遺族年金の期間や受給額は、子どもの有無や年齢によって変わってきます。

亡くなった人の要件

遺族基礎年金を受給するにあたっては、亡くなった夫が国民年金保険料をきちんと納付しておく必要があります。

  1. 死亡した日の2ヶ月前までの加入期間の中で、納付期間と免除期間が2/3以上であること
  2. 死亡した日の2ヶ月前までの1年間に保険料の未納がないこと

遺族基礎年金の支給要件

国民年金 受給対象者 受給期間 年間受給額
遺族基礎年金
  • 子どもがいる配偶者
  • 未婚の子ども
子どもが18歳になるまで
  • 77万9300円+子の加算
  • (第1・2子/22万4300円)
  • (第3子/7万4800円)
寡婦年金
  • 婚姻期間が10年以上の妻(※注1)
60〜65歳 夫の老齢基礎年金の3/4
受給対象者 遺族基礎年金
  • 子どもがいる配偶者
  • 未婚の子ども
寡婦年金
  • 婚姻期間が10年以上の妻(※注1)
受給期間 遺族基礎年金 子どもが18歳になるまで 寡婦年金 60〜65歳
年間受給額 遺族基礎年金
  • 77万9300円+子の加算
  • (第1・2子/22万4300円)
  • (第3子/7万4800円)
寡婦年金 夫の老齢基礎年金の3/4

(※注1)寡婦年金については、夫が国民年金に25年以上加入していることが条件となります。

遺族基礎年金は誰がもらえる?

夫が死亡した場合、受給できるのは子どももしくは子どものいる配偶者です。以前は妻に限定されていましたが、現在は夫も受給できるようになりました。

また子どもの年齢には制限があり、18歳になった年度の3月31日を迎えていないことが条件です。障害等級1級または2級に該当すれば、20歳未満まで延長されます。

遺族厚生年金の支給要件

次に遺族厚生年金の受け取り方を紹介します。

厚生年金 受給対象者 受給期間 年間受給額
遺族厚生年金
  • 配偶者(夫の場合は55歳以上)
  • 未婚の子ども
一生涯(※注2) 報酬比例の年金額の3/4 (加入期間が300ヶ月未満の場合は300ヶ月)
中高齢寡婦加算
  • 夫が死亡した時点で40歳以上の妻
〜65歳 58万5100円
受給対象者 遺族厚生年金
  • 配偶者(夫の場合は55歳以上)
  • 未婚の子ども
中高齢寡婦加算
  • 夫が死亡した時点で40歳以上の妻
受給期間 遺族厚生年金 一生涯(※注2) 中高齢寡婦加算 〜65歳
年間受給額 遺族厚生年金 報酬比例の年金額の3/4 (加入期間が300ヶ月未満の場合は300ヶ月) 中高齢寡婦加算 58万5100円

(※注2)子どもがいない30歳未満の妻は、受給期間が5年間のみとなっています。

遺族基礎年金は誰がもらえる?

遺族基礎年金を受け取れる遺族の優先順位は以下の通りです。

  1. 配偶者
  2. 子ども
  3. 父母
  4. 祖父母

ただし配偶者、父母、祖父母に関しては、受給できるのは60歳からとなっています。また配偶者が受給する際は制限が厳しく、遺族になったときに55歳以上であることが条件です。

年金受給者が死亡したら遺族がすべき手続きと期限

すでに夫が年金受給者である場合、死亡したらすぐに手続きを行う必要があります。年金受給者が亡くなったにもかかわらず年金をもらい続けていると、「過去5年分の年金を返還しなければならない」という罰則が定められています。

年金受給者が死亡したら年金受給者死亡届を提出する

年金受給者が亡くなったら、年金の受給を停止しなくてはなりません。お近くの年金事務所や年金相談センターに「年金受給者死亡届」を提出しましょう。

期限がタイトなため、葬儀のあとはすぐ取り掛かる必要があります。

  • 国民年金…死亡から14日以内
  • 厚生年金…死亡から10日以内

ただし平成23年7月以降に、日本年金機構に住民票コードを登録している人は死亡届の提出は不要です。

遺族年金と自分の老齢年金、どちらを選択すればいいの?

遺族年金をもらっている人が、自分の年金をもらえる年齢になった場合、どちらかを選択しなくてはなりません?夫が自営業だった場合や専業主婦であれば、もらえるのは老齢基礎年金のみになり、遺族年金を受け取った方が金額も大きいでしょう。

一方で会社員として働いた場合は、遺族年金よりも老齢年金を選択した方が得です。ただし、年金は「1人1年金」という原則がありますが、65歳を過ぎると自分の老齢厚生年金と遺族厚生年金の両方が受け取れます。これは選択するものではなく、受取額が一番多くなるように自動計算されます。

離婚した夫が亡くなった場合、遺族年金はもらえるの?

熟年離婚という言葉がありますが、離婚した後に前夫が亡くなった場合、遺族年金がもらえるのでしょうか?結論からいうと、「受給対象外」になります。理由としては、遺族年金を受給する条件として「生計をともにする配偶者」とあるからです。

ただし18歳未満の子どもがいて、生計を維持されていた子どもであれば受け取ることができます。しかし母親と生計をともにしていた場合は、18歳未満でも受給資格はなしと判断されます。シングルマザーの方は自分に何かあった場合、残された子どもの生活のことを考えておくことが重要です。生活に負担がない程度の生命保険へ加入する、生活を見直すなどの対策を考えましょう。

また妻が再婚した場合も、遺族年金の受給資格はなくなるますので覚えておきましょう。

遺族年金には税金がかかる?

遺族年金や障害年金にはまったく税金はかかりません。また上限も設定されていませんので、確定申告は不要です。遺族年金の受給者が自分の年金を受け取るようになった場合、老齢年金に関しては所得税の対象となりますので注意しましょう。

65歳以降で遺族年金を受け取りながら、アルバイトやパートでの収入があったとします。その場合でも遺族年金は非課税扱いなので安心です。

独り身になったときのための老後の過ごし方

遺族年金は思った以上に手厚く、会社員であれば遺族厚生年金も加算してもらえるということが分かりました。年齢や子どもの有無で受給期間や金額が異なりますので、自分はどのくらい受け取れるか、事前に計算しておくと安心できます。

ただし老後の生きがいを考えたときに、年金だけに頼る生活は物足りないかもしれません。お金にゆとりがあったとしても、働きながら社会に関わっていくことも大切ではないでしょうか?お金は生活の安定や心の平和をもたらしてくれるものですが、人との触れ合いや社会貢献は自分が生きる証でもあります。

体が元気なら週に2〜3日でも働くことで、毎日をイキイキと楽しく過ごせるようになるでしょう。「今月はあといくら使えるのかしら?」と家計簿を見つめるより、豊かな生活が広がっていくかもしれませんね。