医療機関事業に関する開業・経営支援、病院コンサルティングの他、在宅医療支援など様々な業務上のサポートを行なう、株式会社メディヴァ代表の大石佳能子さん。
著書の『人生100年時代、「幸せな老後」を自分でデザインするためのデータブック』では、これからの高齢者が最期まで自分らしくあるためのヒントが詰まっています。
撮影・取材/Muguet編集部
編集部より
「老後」に漠然とした不安があるアラフィフ女性が割合的に多いのではないでしょうか。
私もその一人でしたが、「残りの30年は自分のために生きられる」「働く先なんてありますよ!」という言葉に、老後もそれほど悪いものではないのかもと思えるようになりました。
「知る」ことが不安をあおることもありますが、「正しく知る」ことは、自分の不安を和らげ、選択肢を広げてくれます。ぜひ、大石さんの著書でそれを実感してください。
今の介護・医療制度の限界と先進事例を知り、自分の生き方を自分で意思決定するためのデータブック。
「CHAPTER1 超高齢社会を迎えた日本で起こること」、「CHAPTER2 「幸せな老後」と「不幸せな老後」を分けるもの」「CHAPTER3 カラダとアタマの健康が「幸せな老後」をもたらす」、「CHAPTER 4 「幸せな老後」は社会とのかかわりがもたらす」、「CHAPTER5 限界を迎える日本の医療・介護制度」という章立てになっており、図やグラフを駆使し、わかりやすく解説しています。
※書籍名をクリックするとAmazonに飛びます
編集部
この本をどんな方に読んでほしいとおもって作られたのですか?
自分の老後を積極的に考えたい人ですね。
社会的に非常に世の中厳しい時代なので、残念ながら全てが明るい話では当然ならないんですよね。
とはいえ、世の中に何が起こってるかとか、色んな選択肢を知ることによって、自分が受け身ではなく、積極的に老後について考えられるようになったらいいなと思っています。
編集部
確かに、定年して悠々自適なんて言えない世の中ですよね。
悠々自適といっても、仕事がテレビに変わっただけ。毎日テレビ観るのが楽しいかと言ったら、最初だけだったりするんです。
「定年後はゴルフしたいな」と言う人もいますが、毎日ゴルフするにはお金がかかる。結局、適度に働くのがいいんですよね。
編集部
お金のためだけではなく、自分のためにも働き続けた方がいいと。実際、今アラフィフの女性がずっと働けるものでしょうか?
働けますとも!
この間派遣で働いている方々にセミナーで講演をしたのですが、そのときに「私たちは将来働けるでしょうか?」と質問されたんです。そのとき、「庶務や事務職として働いている方はずーっと仕事ありますよ。今役職で仕事している男性たちのほうが困るはずですよ」とお答えしたんです。
それに、料理や掃除ができる、人の面倒が見られるだけで、絶対に仕事がある時代ですから!
編集部
確かに、家事代行の需要も、共働き社会の現在、増えていますからね。
そうですよ。女性の方が色々職はあるご時世です。
編集部
働くという選択肢ももちろんですが、アラフィフの女性がこの先を考えたとき、どんな風に生きるのがいいと大石さんは思いますか?
60歳からの30年は、自分のために生きていい30年だと思うんです。女性は初めの30年は、多くは親のため、次の2~30年は旦那さんや子どものため、おひとりだとしても親のため、仕事のためだったり。
これから先がやっと自分のための30年ですから、それをどうおいしく生きるか考えると楽しいのではないでしょうか。
編集部
考えた結果、ご結婚されている方は熟年離婚を選ぶパターンもありそうですね。
それもひとつの選択肢ですよね(笑)。
編集部
「老後の準備」って、いつぐらいから考えるべきでしょうか。
今の高齢者って、本当に元気なので、「終活」という意味では75歳くらいでもいいんじゃないでしょうか。
自分の老後を考える、どう設計するのか、可変の部分をよくするという意味で言うと、50代後半くらい。
もちろん、「健康維持」「趣味を持つ」「知り合いを増やす」など、目的によって考えるスタートは違うと思いますけどね。
編集部
50代後半でも間に合うんですね。
充分ですよ。あと30年あるわけですから!
編集部
ちなみに、大石さんはどのような老後をイメージされていますか?
ずっと仕事はしていると思いますが、他にはミシンで洋裁に挑戦してみたいとか、1年の少しの期間だけ外国に住んでみたいとか、夢は色々あります。
フランスのワイン収穫時期になると、ヨーロッパ中からリタイアした人が集まってワインづくりを2週間くらいお手伝いするんです。お給料は出ないけど、泊まるところはあって、最後は収穫祭に出るっていう。楽しそうじゃないですか?
編集部
ステキすぎます…!