老後に生活保護を受けるには「生活を維持する収入が無いこと」「援助者がいないこと」「資産や財産が無いこと」などを役所に認めてもらわなくてはいけません。将来的に生活保護を受けようと考えているのであれば、これらの条件を満たせるように今から準備が必要。生活保護のメリットやデメリットを知っておくと、将来生活に困ったときにきっと役に立つでしょう。
老後に生活保護を受けられるかどうかの基準は若い世代よりも甘く、世帯での収入が生活を維持していくだけの金額=生活保護基準値を超えているか否かで判断されます。
もちろんケースワーカーによっては「資産・財産の所有」「生活を援助してくれる親類」といった部分も加味されますが、まずはこの世帯収入がポイントといって間違いありません。
老後の主な世帯収入、つまりは年金です。国民年金と厚生年金の合計金額が生活保護の基準値を下回っていれば、生活保護を受給できるのです。生活保護基準値は、主に「年齢による生活費(生活扶助1類)」「世帯人数による生活費(生活扶助2類)」「生活地域」の3つから算出されます。
(生活扶助1類+生活扶助2類)×世帯人数による逓減率+住宅扶助=生活基準値
国民年金・厚生年金共に、受給資格の基準は10年(120ヵ月)年金を支払っているか否かです。119ヵ月支払っていたとしても、1ヵ月の不足があれば、受給は受けらません。自分自身に受給資格があるかは、日本年金機構(ねんきんネット)に登録することで確認できます。
(国民年金+厚生年金)×2人<生活保護基準値の計算方法になったのなら、老後はそこそこ安心できると言えるのではないでしょうか。
※令和元年度年金額 781,000円
※厚生年金を40年間支払った場合の平均値
令和元年度の国民年金支給額が約6万円、厚生年金は15万円なのに対し、生活保護は13万円ほど。厚生年金とはほぼ変わらない金額ですが、国民年金と比べると倍の金額が貰えます。
国民年金を収めるのが馬鹿らしく思えてくる方の気持ちもわかりますね。
生活費分とは別に家賃の支給があります。東京都に住んでいる場合、約5万円が家賃分として支給されるので、結果的に厚生年金の支給額を上回ることも少なくありません。
厚生年金受給者は支給額から家賃や生活費を捻出しています。しかし、生活保護受給者は家賃を別途貰えるのです。実際に使える金額を考えると、生活保護の方がお得な感じがしますね。
生活保護を受けていると医療費や公共料金が免除されます。あの激しい取り立てが特徴のNHK受信料さえタダです。保険証が無いから病院に行けない…という心配も無用になります。歳を取ると体の調子が悪くなりがちなので、これは有り難い制度だといえるでしょう。
「貯金できるほどの収入があるなら生活保護が無くても生きて行けますよね」と判断され、保護費が貰えなくなります。生活保護制度はあくまで最低限の生活を保証するものなのです。(場合によってはいくらか認められる場合もあります)
同様の理由で財産の所有も難しいです。財産があるなら現金化して生活をするよう指導が入るため、注意が必要です。
海外旅行中は日本国内に居住している実態が無いため、生活保護費の一部返還を求められたり減額して支給されたりします。誰かに旅費を全額負担して貰う場合でも受給者の収入とみなされるため、支給額に影響が出ます。
どうしても行かざるを得ない場合以外は、日本から出ないのが得策です。
生活保護受給者の様子をうかがうために、定期的にケースワーカーが家にやってきます。現状の生活についていろいろと聞かれることになるので、嫌がる方もいるでしょう。しかし、話し相手になってくれるため、おしゃべり好きの方にとってみればメリットとも言えます。
こうしてみると生活保護はメリットの方が大きい印象。申請が通るかどうかがカギですが、通ってしまえばそれなりの老後は送れそうです。
生活保護の制度は、あくまで本当に行き詰った時の最後の手段です。世間体が気になる人は、生活保護を受けての生活を楽しめないかもしれません。老後に旅行に行きたい、趣味を楽しみたいなど、セカンドライフを楽しみたいと考えているアラフィフの人は、今からでも遅くありません。老後資金をどうすべきか考えて、貯めていきましょう。
老後の生活で、本当に困ったときに頼りになるのが、生活保護制度。生活保護に関するよくある質問をQ&A方式でまとめてみました。
実際に生活保護を受けるとしたら、どんな生活になるのか心配になりますよね。受給するためには、どのような条件が必要なのか?また、受給していたら出来ないこと。受給していても出来ること。確認してみましょう。
現在2児の母。出産前までは大手証券会社で長年営業に従事。自営業の夫の仕事を手伝う傍ら、自身の経験を活かし、ウェブライターとして活動中。わかりやすいをモットーに、さまざまな場面でのお金について解説します。
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