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50代転職で年収より重視すべきポイントは?

50代の平均年収

国税庁が実施した令和元年の「民間給与実態統計調査」によると、男性は60歳までは年齢が高くなるにつれて平均年収も高くなり、55〜59歳では平均686万円と最も高くなっています。定年を迎える60代から平均年収は顕著に下がり、65〜69歳では、406万円まで減っています。女性の場合、年齢による年収の変化はほとんど見られませんが、50歳以降から徐々に減っていく傾向にあります。

50代から転職する場合、年収は下がる?

現職の年収が平均相場より高い場合、同じ業界で同程度の年収が得られる会社に転職することは、かなり難しいでしょう。

ただ、転職する年齢に関わらず、年収額はこれまでの経験や、働いていた業界によっても相場が異なります。転職後の年収に対して不安がある場合は、職業ごとに平均相場を確認してから転職先を探すことが大切です。

50代からの転職で年収アップするベストな方法は、役員として同業他社へ入社することです。役員には、これまでの経験を生かしながら、業務や社員を管理し、会社を持続的に成長させる能力が求められます。

とはいえ、一般的に50代での転職は、年収が大幅に減ってしまうリスクがあるため、資産や住宅ローンなどの負債の状況を見直して整理する必要があります。

50代からでも転職可能な仕事

一般的に50代の転職となると、募集している職種も限られてくるため、転職しにくいという現状があります。そのような状況下でも、50代が転職しやすい職業に、以下のようなものがあります。

介護職・看護師

医療や福祉業界は、慢性的な人材不足に陥っていることもあり、比較的転職しやすくなっています。特に、介護福祉士や看護師などの有資格者を求める、施設や医療機関は多いです。ブランクがある場合でも採用されやすく、自分のライフスタイルに合わせて働き方を選べるところもあります。

介護職の場合は、未経験でも雇われやすく、長く働きたい方や、資格取得やキャリアアップを目指す方にもおすすめです。

タクシードライバー

50代の転職で応募しやすい職種の代表格ともいえる職業は、タクシードライバーです。未経験者の募集も多く、給与も比較的高く設定されている点が魅力です。60歳を過ぎてからでも働き続ける人が多く、70代で現役というドライバーも珍しくありません。歩合制を採用しているところが多く、頑張り次第で収入はアップ。さらに昇給や賞与、家族手当などがつくことで、より高い収入を得られます。

ビルの清掃員

商業施設やビルなどの清掃の仕事は、年齢や経験に関わらず働けるため、50代からでも転職しやすい職業です。

清掃業界が未経験の場合でも応募可能で、1日4時間以内など勤務時間の希望も通りやすいため、自分の時間をたっぷりとりたい方にもおすすめの仕事です。細かいところまで配慮できる人であれば、楽しみながら仕事ができるでしょう。

メーカーの製造職

工場に勤務し、製品の製造や組み立てなどの作業を行う製造職も、40〜60歳くらいのミドルシニア世代が多く働く職業です。単純作業や軽作業が多く、特別な資格やスキルも不要。入社後に研修を設けているところも多く、未経験でも転職しやすい仕事です。交通費の全額支給や、社会保険完備など、福利厚生が充実している点も見逃せません。

50代からの転職で重視すべきポイント

良好な人間関係が築ける

転職後にできるだけ長く働くには、一緒に働く人との人間関係が重要です。人間関係があまり良くない会社では、仕事がスムーズに進まず、ストレスが溜まって仕事を続けることが困難になることも考えられます。一緒に働いていて心地よい人が職場に一人でもいると、単調な仕事でも楽しくなるものです。

求人情報や職場見学などを活用し、人間関係が良い会社かどうかを事前に見極めることが大切です。

福利厚生が充実している

社会保険や役員手当、住宅手当などの福利厚生がしっかりしているかどうかも、転職先を決める上で重要なポイントです。さまざまな手当がつくと、手元に残るお金も増えます。

ただ、住民税は前年の収入額で決まるため、転職後に収入が下がってしまうと、住民税の支払額が高く感じられるかもしれません。現在、在職中で転職を考えている方は、住民税や社会保険料などの金額を考慮した上で、転職活動をするようにしましょう。

最低限生活できる年収

現在の収入を基準に転職を考える場合、転職後に果たして同じような金額が必要かどうかも、十分検討することが大切です。

例えば、子供が社会人になり、学費を支払う必要がなくなったり、住宅ローンを完済したり、といった場合は、出費もかなり抑えられ、年収が減っても生活に不自由しなくて済むことがほとんどです。

年収にこだわらずに仕事探しができれば、選択肢もさらに広がります。

60代になっても働きやすい

年収が低くても長く働き続けることで、生涯得られる年収は増えます。

50代で転職する場合は、60歳を過ぎても働き続けたいと考えている人が多く、転職先を探す際は、60歳以降も働きやすい環境や制度が整っているかどうか、という点も十分検討する必要があります。