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アラフィフ女性の老後資金確保としての株

世の女性は老後資金としていくらあれば安心できる?

老後の資金にいくら必要かアンケートを取ると、多数の女性が3,000万円と答えています。日本政府が発表した2,000万円は通常の日常生活を送るために最低限必要な額です。このため、趣味や旅行などの娯楽、突然の病気や介護に備えると3,000万円の資金があれば安心と言えます。

これに対して貯金額に関するアンケートでは、約50%の方が300万円未満と答えています。中には1,000万円以上の貯金を行う方もいますが、約20%と少数派に留まるのが実情。この結果から、老後資金への対策は早いうちから初めておく必要があるでしょう。

老後資金を確保する方法はさまざまですが、ここでは株に着目して資金を得る方法や税金対策について解説していきます。

株でどうやって老後資金を得るの?

株を購入することで得られる利益は譲渡益、配当金、株主優待の3種類に分けられます。それぞれ仕組みや課せられる税金の種類が異なっています。

譲渡益(売却益)

譲渡益は株を売買したときに得られる利益のことです。株価が400円の株を100株買った場合の購入金額は4万円で、株価が倍の800円に上がったときに売ると、売却金額は8万円になります。4万円で購入した株が8万円で売れたので、株の売買取引で儲けた額は4万円です。この儲けた金額のことを譲渡益と言います。

株を売った際の利益である譲渡益には、譲渡所得として税金が課せられます。譲渡所得は申告分離課税の対象で、税率は20.315%(所得税15%、住民税5%、復興特別所得税0.315%)です。例えば、株を売って1万円の譲渡益が出た場合には、1万円に対して譲渡所得2,031円の税金が課せられます。

譲渡所得は申告分離課税の対象なので、基本的には確定申告が必要です。しかし、株の取引に使う口座に特定口座(源泉徴収あり)を指定した場合のみ、確定申告をする必要はありません。

配当金

配当金は企業の売上の一部を株主に還元したものです。企業の業績が良ければ配当金が出ますが、業績が悪ければ企業は配当金を出すことができません。また成長途中のベンチャー企業の場合、設備投資を優先させるので、配当金を出さない傾向があります。

配当金には配当所得として税金が課せられ、配当金が支払われる際に20.315%を源泉徴収されています。配当金の確定申告をする際には、総合課税、申告分離課税、申告不要を選択できます。申告分離課税では所得税が15%かかりますが、総合課税では所得に応じて所得税が5〜45%で変動します。

株主優待

企業の株を買って株主になると株主優待を受けられます。株主優待の内容は企業によってさまざまで、自社製品の詰め合わせセットをもらえたり、商品券やお米などをもらえたりします。

譲渡益や配当金のように現金が手に入るわけではないので、利益というイメージはあまりないかもしれません。しかし、優待品を現金換算して計算した場合に高い利回りとなることもあります。

税金のルールから見ると、株主優待は雑所得として総合課税の対象ですが、実際のところは課税されていません。これは株主優待の内容が正確に数量を把握できる現金ではなく、企業の製品やサービスだからです。本来は課税対象なのですが、税務局が正確に把握できないので実際には課税されていないのです。

株にかかる税金の支払い方法

株にかかる税金は利益から源泉徴収してもらうか、確定申告を行い自分で納めなければなりません。

源泉徴収による支払い

株に投資する際に使う口座には一般口座と特定口座の2種類があり、特定口座を使用した場合のみ、源泉徴収で税金を納められます。特定口座(源泉徴収あり)を選択すれば、譲渡益が出たときや配当金をもらったときに、口座から自動で税金が引かれるので確定申告が不要になります。

確定申告による支払い

投資した株から利益が得られた場合には、確定申告をして税金を納税しなければなりません。確定申告が必須なのは、一般口座や特定口座(源泉徴収なし)を株の投資に使っている方です。特定口座(源泉徴収あり)を使っている方は確定申告が不要ですが、確定申告をすることで節税できる場合があります。

株の税金を支払う際に確定申告を行う4つのメリット

マイナスが出た場合に損益通算ができる

株の投資で出た譲渡損は損益通算をすることができます。2つの口座で株を運用していた場合、一方で1万円の利益がでたけれど、もう一方では1万円の損失が出たということがあります。このような場合には、確定申告を行うことで損益通算が可能です。

特定口座(源泉徴収あり)では確定申告が不要ですが、確定申告をしなければ1万円の損失が出ていても一方の1万円の利益によって2,031円の税金がかかります。損益通算を行うことで1万円の利益と1万円の損失が相殺されて、譲渡所得が0円となり税金がかかりません。

損失を翌年以降に繰り越せる

確定申告をすることで、最大3年間に渡り損失を繰り越せます。例えば、去年の取引で2万円の損失が出ていて、今年の取引で2万円の利益を出した場合、去年の損失を今年に繰り越すことができるので、利益と損失が相殺されて税金がかかりません。

繰り越しをするには、毎年の確定申告が必要となり手間がかかりますが、節税効果が得られます。

配当金を総合課税で納税できる

配当金の確定申告の際に総合課税を選択することで、所得税が安くなることがあります。総合課税を選択した場合の所得税は累進税率なので、所得が上がるほど税率が高くなります。

所得が695〜900万円以下の方が総合課税を選択すると、累進税率が20%、配当控除が10%で正味税率は13%です。申告分離課税や源泉徴収を選択した場合の所得税は一律15%で配当控除の対象外なので、所得が900万円以下の方は総合課税を選択することで節税効果を得られます。

払い過ぎた税金が戻ってくる場合がある

特別口座(源泉徴収あり)を使用している方は、配当金が支払われた際に20.315%の源泉徴収を受けています。合計所得が2,400万円以下であれば所得に対して48万円の基礎控除を受けられるので、年間の利益が48万円以下の方は源泉徴収により多く納めていた所得税が戻ってきます。

また、確定申告を行えば住民税に関しても43万円の基礎控除を受けられるので、年間の利益が43万円以下であれば配当金に対して税金がかかりません。

NISA口座を利用すれば節税できる

2014年1月に導入された少額投資非課税制度のNISAを利用すれば大きな節税効果を得られます。株の投資にNISA口座を利用すると、年間120万円までの投資にかかる譲渡益や配当金に対する税金がかかりません。

NISA口座を利用する場合、株の購入上限額と損失について気をつけておく必要があります。NISA口座で購入できる上限額は120万円までです。一度120万円分を購入してしまうと、売却したとしても非課税枠は使用できません。また、NISA口座での損失はなかったものとして扱われるので、一般口座や特別口座のように確定申告をしても損益通算ができないことにも注意が必要です。

株式投資は老後の生きがいに!

老後資金の不安から株式投資に挑戦する女性は多いもの。そんな先輩方からの体験談としてよく目にするのが「株式投資をはじめてから、世界の経済を勉強することが楽しくなった」という意見。オンライン証券を活用すると家から出る必要はなく、ステイホームを維持しながら資産を増やせます。

アラフィフ女性にとって、株式投資は老後資金のつくる方法というだけでなく、日々の勉強で知識を増やすことで「生きがい」にもなるのです。