健康寿命とは、WHOが提唱した指標で、心身ともに自立した生活が送れる期間のことです。体の衰えや病気などによる介護を必要とせず、毎日の生活を元気に過ごせる状態を指します。たとえ長生きをしていても、長期入院や介護が必要な状態であれば、健康寿命は短いことになります。
健康寿命と平均寿命にほとんど差がない場合は、亡くなる直前まで元気に過ごしていたことになり、逆に平均寿命より健康寿命が短い場合は、亡くなるまで不健康な状態のまま長い間生きていたということになります。
対して平均寿命とは、0歳から何歳まで生きられるかを予測した「平均余命」のことです。平均寿命には、介護が必要な人の年齢も含まれているため、健康寿命とは全く異なるものとなります。
健康なまま長生きするには、何より生活習慣が大切です。健康寿命が伸びるということは、老後に楽しめる時間が増えることでもあります。老後の生活を存分に楽しむには、生活習慣を変える努力が必要になります。
老後の健康を維持するために、「食事」はとても大切な要素です。食事は栄養のバランスをみながら変えていくことが大切です。野菜を中心に、肉や魚、豆類、乳製品、海藻類などをバランス良くとりましょう。
老後の食事は内臓に負担がかからないよう、食事のとり方にも気を配ることがポイントです。朝食を抜いたり、早食いや暴飲暴食をしたりせず、しっかり咀嚼して時間をかけて食べましょう。
血糖値の急激な上昇を抑えるために、野菜から食べ始めるなど、食べる順番にも意識を向けられると理想的です。
老後の暮らしの中では、骨折などのケガにも注意が必要です。骨折から寝たきりになると、体力が落ちて健康寿命が短くなる可能性もあるため、適度な運動を心がけ、体の柔軟性や筋力を維持するようにしましょう。
ただ無理はせず、自分の体と相談しながら続けることが大切です。1日30分くらいのウォーキングからはじめ、積極的に階段を使ったり、歩行速度を早めたりといった、生活の中で自然にできる運動がおすすめです。
運動が苦手な方には、写真など趣味と合わせて体を動かせるものが良いでしょう。天候に左右されずにできる、ストレッチなどの室内運動を取り入れるとより効果的です。
年齢を重ねるほど、睡眠時間は短くなります。減っていく時間の中で、いかに質の良い睡眠をとれるかが重要になってきます。質の良い睡眠をとるには、日中に体を動かしたり、ストレスを軽減させたりといった工夫が大切です。
就寝時間の1時間前には、間接照明などで部屋を暗めにし、リラックスして過ごすと深い眠りに入りやすくなります。
さらに、朝起きた時にカーテンを開け、太陽光を浴びることで体のリズムを整えることも重要なポイントです。