定年退職してからも、働き続けたいと考えるシニア世代は多いようです。しかし、飲食店や販売などのサービス業は、体力的にきつく、若い人と一緒に働くことに気疲れするといった理由で、人気が低くなっています。
シニア世代に人気の職業の中には、事務や軽作業、資格やスキルを活かせる仕事、清掃、医療・福祉系などもあります。清掃業や福祉系の仕事は一見、体力を使うハードな仕事という印象もあるでしょう。しかし実際にはシニア世代のスタッフも多く、気軽に働けるため人気になっています。
また、宅建や文書作成など、これまでの仕事で培ったスキルや資格を活かせる仕事がしたい、というシニア世代も多いようです。
シニア世代は長く働き続けるにあたり、「なるべく心身に負担の少ない楽な仕事を探したい」と考えがちです。ただ、楽そうなイメージの仕事と、実際に楽だと感じる仕事には大きな差があります。楽な仕事と思っていざ働いてみたら、実態はそれほど楽な仕事ではなかったという失敗をするケースもたくさん。
本当の意味で楽な仕事を探すには、「自分の性に合っていて、ストレスを感じることなく、生き生きと働ける仕事」を基準に選ぶと良いでしょう。
以下では、それぞれの目的別におすすめの仕事をいくつかご紹介します。
時給が高く短時間でそれなりに稼げる仕事に、コールセンターがあります。コールセンターは、お客さまからの問い合わせや苦情などに対して、電話で受け答えをすることが主な仕事です。そのためお客さまと直接対面することはありませんが、電話越しでも相手と会話をする以上、人と関わりたくない仕事を希望する人には、あまり向いていないかもしれません。
コールセンターの求人を探す際は、高時給に惑わされず、人と接することにストレスを感じないか、どういった内容の仕事かという点についても、十分に検討するようにしましょう。
駐車場や道路工事を行っている現場で交通整理をしたり、商業施設やオフィスビルなどでお客さんやそこで働く人たちの安全を守ったりするのが警備の仕事です。体力的にハードなイメージがあるためかシニア層にはあまり人気がない職業ですが、実際には比較的時給が高く、短時間の勤務でもそれなりに稼ぐことが可能な仕事です。体力に自信がない場合でも、休憩時間を長く設けている職場も多く、働きながら少しずつ仕事に慣れていけます。
倉庫や工場などで、製品の製造・検品・仕分け・梱包といった作業を行うのが軽作業の仕事です。シニア世代からの人気も高く、黙々と仕事をこなせるため、人とあまり関わりたくない人に向いています。ただしライン作業は1日の生産目標が決められていることが多く、納期が迫ると忙しくなるため、自分のペースで働ける仕事を探している人は要注意です。
共有部分の管理や点検などを行うマンション管理の仕事も、シニア世代から人気の職業となっています。人と接する機会が少ない仕事と思われがちですが、実際には、マンションの管理会社への状況報告や、設備修理のための業者の手配、居住者や来訪者への応対などの業務があります。自分のペースで働きたい人には向いていますが、人と接する業務が割と多いことも念頭に置いて検討しましょう。
商業施設や病院、オフィス、マンション、ホテルなどで、室内の掃除を行うのが清掃の仕事です。体力面で不安に思う方もいますが、基本的に一人で行う作業が多いため、なるべく人と関わらずに働きたい人や、自分のペースで作業をしたい人におすすめの職業です。
「自分のペースで働きたい」「短時間だけ働きたい」「人と関わりたくない」といった、自分の希望を明確にすることは大切です。ただ、採用側に志望動機を伝える際には、「楽な仕事がしたい」という気持ちをダイレクトに伝えるのではなく、ポジティブな言い回しに変えてアピールすることが重要です。
例えば、軽作業の求人へ応募する場合は、「一つの作業に集中して取り組むことが得意です」などのように表現を変えることで、自分の個性や強みをアピールできます。
