生活する上で体や頭を使う機会が減り、長期間に渡っていきいきとした活動をしなくなることで体や脳の働きが低下する病気です。
生活不活発病になると、歩く、立ち上がる、階段を上り下りするなど、日常の何気ない動作が辛くなります。さらに消化器や心肺機能が低下したり、血栓症といった体の病気或いはうつ病のような心の病気になったりする可能性もあります。
特に持病がある方や高齢者は、生活不活発病になりやすいため注意が必要です。
心肺機能や消化器機能の低下、尿量が増加するなどの全身に起こる症状をはじめ、廃用性骨萎縮、筋力低下、血栓症、皮膚萎縮などの体の一部にみられる症状、自律神経不安定やうつ状態、周囲への無関心、知的活動の低下といった精神や神経の働きに関わる症状が起こります。
これらの症状が少しずつ重なって起こり、立ちくらみがしたり、食欲が落ちて便秘になったり、物忘れが増えたり、座っているだけで疲れたりなど、日常生活でのさまざまな動作に支障が出てくるようになります。
生活不活発病は、定年退職をきっかけに発症するケースが多くなっています。
考えられる原因としては退職後にすることがなく動かなくなったり、あるいはケガや病気で動けなくなったり、やる気がなくなったりすることなどが挙げられます。
このような原因の中で老後特に注意したいのは「することがない」状態です。現役時代は毎日会社に出勤する「理由」がありましたが、退職後は外出の理由がなくなり、人と関わる機会も極端に減ってしまいます。1日のほとんどを家の中で過ごす生活を長期間続けると、結果的に生活不活発病になってしまうのです。
健康な人でもあまり活動をせずに過ごしていれば、生活不活発病を発症する可能性は十分にあります。
「自分は健康で適度に動いているから大丈夫」と思っていても、年齢を重ねるにつれ体力が低下し、些細なケガや病気がきっかけで、介護が必要になるケースも起こらないとは言い切れません。
特に一日中家にこもってダラダラと過ごすような生活をしている人は要注意です。気づかないうちに体力が落ち、外出が面倒になり、体を起こすのも辛くなってくるといった悪循環に陥る可能性もあります。
生活不活発病のリスクを避けるために、早めに対策を取ることが大切です。
生活不活発病は文字通り「不活発」になることが原因で起こります。つまり活発な生活が生活不活発病の予防に。
活発な生活を長く続けるには、楽しむのが一番。老後の生きがいをつくるために再就職したり、趣味を見つけたり、楽しみを増やしてみませんか。