孤独死しないための必要資金

悠々自適な独身老後には、
いくら必要?

悠々自適イメージ

子どもがいたって、旦那がいたって、最後は一人になる可能性も十分にある現代社会。

では実際にどの程度の生活費が必要か、総務省統計局が発表している「家計調査報告(家計収支編)」を参考データとして紹介します。

60歳以上のひとり暮らしの
標準生活費

  • 食料 36,378円(24.31%)
  • 住居 18,268円(12.21%)
  • 光熱、水道 13,109円(8.76%)
  • 家具、家事用品 4,780円(3.19%)
  • 被服、履き物 3,766円(2.51%)
  • 保険医療 8,286円(5.53%)
  • 交通、通信 14,405円(9.62%)
  • 教育 0円(0%)
  • 教養、娯楽 17,082円(11.41%)
  • 交際費 18,281円(12.21%)
  • その他 15,247円(10.19%)
  • 非消費支出(税金など) 12,392円
  • 合計  161,995円

引用元:総務省統計局 家計調査年報(家計収支編)平成30年(2018年)

これは60歳以上のひとり暮らしの標準生活費。2019年現在、年金受給開始年齢は65歳です。これから先の社会情勢を考えれば、さらに年金受給年齢が現在の65歳から引き上げられる可能性は高いといえるでしょう。

ちなみに、国民年金を40年間フルに納めたとして2019年現在の老齢基礎年金は年で780,100円となり、12ヶ月で割ると65,000円強。厚生年金でも平成29年度の実績をベースに算定すると、月144,903円で年間1,738,836円になります。つまり、厚生年金の平均でも足りず、国民年金だと標準的な支出の半分にも満たないわけです。

これは特段贅沢をするような支出額ではないため、実質的に年金だけだと標準的な老後の生活費さえ賄えないということになります。

介護費用と葬儀費用を
自分で賄うことを想定する

老後、ひとりで生活するにしても、元気なうちはいいですが、いよいよという状況になった時に発生する大きな出費として、介護費用と葬儀費用についてはきちんと認識しておく必要があるでしょう。

介護費用については、生命保険文化センターの調査データをもとにすると、一時出費が80万円、月額で8万円弱という平均数値が参考になります。

葬儀費用だと、日本消費者協会のデータで平均188.9万円。これにお墓にかかる費用が100万円程度といわれていて、合わせて300万円弱となります。

これを単純に足していくと、400万円弱の金額を常にストックしておく必要があるわけです。

独身ほど退職前から
資産形成する必要がある

老後をひとりで過ごす状況の人は、例えば子供がいる人に比べれば、現役時代に教育費やマイホームなどの出費が少なく済むという側面はあるでしょう。それでも、老後に頼れる親族が少なくなるでしょうから、老後資金については基本的に自分ひとりで準備しておく必要があるわけです。

貯蓄や保険、投資など現役中ならできる資産形成の手段は多々あります。ギャンブル的な意味ではなく、ちゃんとした収入がある時から、将来に備えてきちんと資産形成を考えておかないと、いざ定年する段階になってからでは、さらに無理が利かなくなるもの。退職した後でも安心して生活するためには、今の収入を利用して資産形成しなくてはならないのです。

今から理想の老後を
考えてみる

今でも、それなりにおひとりさまの時間を満喫していらっしゃる方は多いでしょうが、あくまでメインは仕事。その合間を縫って旅行や趣味を楽しまれている方が大半だと思います。

老後になれば、たっぷり時間はあります。親しい友人と美味しい食事を食べに行ったり、秘境の温泉に出かけたり。新しく習い事を始めてみたり。やりたいことを挙げていったらきりがありませんが、おそらく年金だけではお金は到底足りません。

毎日生活をするだけなら、それほどお金はかからないかもしれませんが、老後を楽しむためには資金は必要です。健康でいられるうちに、人生を謳歌することを考えませんか。

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記事監修:中野令子

現在2児の母。出産前までは大手証券会社で長年営業に従事。自営業の夫の仕事を手伝う傍ら、自身の経験を活かし、ウェブライターとして活動中。わかりやすいをモットーに、さまざまな場面でのお金について解説します。

保有資格
FP技能士1級、損害保険募集人、第一種証券外務員