定年後の起業を成功させるには?

定年後に起業する人の割合はどれくらい?

2019年にfreee株式会社が行った「起業に関する調査アンケート」によると、50歳以上のシニア層の約3割が「起業に関心がある」と回答しています。また、シニア層の32.1%の人は「3年以内に起業を実現したい」と回答しており、20代〜40代の若い世代より、早い段階で起業したいと考えていることが分かりました。

ただ、起業に関心はあるものの、実現には至っていないという現状も見過ごせません。

シニア世代が起業を踏みとどまる理由には「自己資金の不足」や「資金調達の難しさ」「収入減など失敗したときのリスクが大きい」といった資金面でのこと、また「経営に関する知識やノウハウがない」「起業の方法が分からない」といった実務面での理由があげられます。

参照元サイト:freee_「起業」に関するアンケート調査(https://corp.freee.co.jp/news/freee-2019-9415.html)

定年後の起業で失敗しやすくなるケース

リサーチ不足

店舗を起業するときに事前のリサーチが不足していたことにより失敗する人も少なくありません。

例えば、飲食店を起業する場合は、店舗を展開する場所が好条件であれば、成功する確率は高いですが、悪条件が重なる場合は、経営難に陥る可能性が高くなります。

駅近などの人通りの多い店舗や通行量の多い道路沿いの店舗などは、客単価重視の飲食店に向いているでしょう。一方、常連客や固定客を重視する場合は、賑やかな場所より路地裏に居心地の良い店を構えた方が顧客を増やしやすいかもしれません。

お店のコンセプトはそれぞれ異なるため、これが最適とは一概には言えませんが、公共交通機関からアクセスしにくかったり、駐車場がなかったりといった悪条件では、客足を伸ばすことは難しいでしょう。

飲食店に限らず、起業を成功させるには、立地条件や人通り、近隣の店舗状況など、事前に詳しくリサーチしておくことが重要です。

初期費用のかけすぎ

初期投資をほとんど必要としないコンサルティング業や、ネットショップなどで起業する場合は、初期費用が問題になることは少ないといわれています。しかし、飲食店をはじめ実店舗を構える場合は、初期投資に費用をかけすぎる可能性があります。

例えば、店舗の内装や扱う食材など、細かいところにこだわりを持った飲食店を開くような場合です。自己資金をすべて費やし、さらに銀行から融資を受けて、こだわりの店舗に仕上げたものの思うように人気が出ず、結果として銀行への返済に困り、短期間で閉店に追い込まれるというパターンも多いようです。

販売力不足

長年、製造業などの技術者として勤めてきた方が、定年後に販売業などで起業をする場合は、営業のスキルやノウハウが必要になります。いくら高い技術力を生かして開発した製品でも、お客様に商品のメリットを分かりやすく説明したり、お客様の悩みを聞いて解決策を提案したりといったスキルがなければ、その製品の良さは伝わらず、販売につながりません。

定年後の起業で成功するためにチェックしておきたいポイント

経験のある分野・人脈を活かしている

現役時代に経験した業種で起業するケースであれば、その分野の知識やノウハウを持っている分、成功する確率は高くなるでしょう。

例えば、現役時代にスーパーでバイヤーをしていた経験を活かして、定年後に個人のバイヤーとして起業する場合です。長年積み重ねた経験と人脈があれば、定年後に起業を考え始めたとしても、それほど準備期間を必要とせずに起業できる可能性は高くなります。

ランニングコストに生活資金を充てていない

店舗を構えるための開業資金が足りずに銀行から融資を受けたり、老後の生活資金として貯めたお金を運転資金に回したりといった経営ではリスクが大きくなります。予想に反して売上げが少なければキャッシュ・フローが滞り、経営が圧迫される事態に陥ることも考えられるのです。定年を迎えてから起業を考え始めるよりも、定年後の起業を成功させるためには、40代や50代など、なるべく早い段階から開業資金を準備しておくことも考えておきましょう。

定年後にゼロから起業する場合は、初期投資の少ない分野で起業を考えると良いかもしれません。

助成金や補助金を活用している

起業するために資金の融資を受ける場合は、低金利の「日本政策金融公庫」の助成金や「厚生労働省」の補助金を活用すると良いでしょう。

定年後の起業に利用できる助成金や補助金には「生涯現役起業支援助成金」と「女性、若者/シニア起業家支援資金」があります。それぞれ所定の条件を満たすことで「生涯現役起業支援助成金」は上限200万円(※2)の助成金「女性、若者/シニア起業家支援資金」は上限7,200万円(※3)の融資を受けられます。

助成金・補助金の利用を考えている方は、厚生労働省や日本政策金融公庫のHPで、詳細を確認してみましょう。

※2参照元サイト:厚生労働省_中途採用等支援助成金(生涯現役起業支援コース)(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000115906.html)

※3参照元サイト:日本政策金融公庫_女性、若者/シニア起業家支援資金(https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/02_zyoseikigyouka_m.html)

定年後の起業におすすめの業種

定年後に起業する場合の人気職種には、飲食店や移動販売、インバウンド観光、教育関連などがあります。飲食店の分野は競合も多いですが、コンセプト次第で人気店となる可能性が高いでしょう。また、弁当などの移動販売を行う場合は、仕込みと販売の時間以外は自由に使えるため、余暇を利用して趣味を楽しめます。教育関連の分野では、近年需要が高まっている、社会人向けのセミナーや教室を開くのも良いでしょう。

これまで観光業界の経験がなくても、外国語が話せる方なら、そのコミュニケーション能力を活かしてインバウンド観光に参入するのも良いかもしれません。

これまでのキャリアを活かした企業でも縁の遠かったジャンルの起業でもポイントを踏まえて、起業にチャレンジするのか検討してみてください。