定年後の生活設計をどう考える?

定年前に考えておくべき老後の生活設計

年金の引き上げや、「人生100年」という考えが根付きはじめたことで、定年前に老後の生活について考える人が増えています。不安のないセカンドライフを送るには、夫婦や子供、孫たちとの関係や、金銭面など、さまざまなことについて想定しておく必要があります。

子供や孫のこと

子供が独立している場合、仕送りをする必要があるか、将来、同居するかどうかといった点は、老後の生活設計に大きく影響します。

また、子供が結婚して孫が生まれた場合、保育園への送迎や子守など、子育てのサポートが必要になることもあるでしょう。

子供や孫にどの程度関わるのか、同居しない場合も、近居にするべきかなど、家族との関わりにおいて考えられることを書き出してみましょう。

夫婦のこと

定年後の過ごし方について、夫婦で話し合っておくことも大切です。

定年で仕事から離れると、夫婦一緒に過ごす時間は大幅に増えます。夫婦の関係性にもよりますが、趣味など共有できる楽しみがあると、より老後の生活も充実するでしょう。

例えば、定年後の予定として、旅行へ行きたいと考えている場合は、旅行先の情報を二人で集めておくと良いです。同じ目的を共有することで、楽しみも倍増します。

また、子供が独立している場合は、夫婦二人で暮らす場所を探すのも良いでしょう。現在住んでいる地域から引っ越すのか、同じエリアで別の物件を探すのか、今の自宅をリフォームして住むのかなど、さまざまなことが考えられます。

介護が必要になったときのことも、併せて考えておきましょう。

夫婦のことを考える上で大切なことは、一方通行で意思を通そうとするのではなく、お互いに意見を交換し合いながら、妥協点を見つけていくことです。

金銭のこと

65歳で定年退職する場合、人生100年と考えると、あと35年も期間があることになります。健康的に長生きしたいと考えるなら、老後の金銭面でのあらゆることを想定しておく必要があります。

住宅ローンの返済は定年後も続くのか、年金生活で返済していけるのかなど、具体的に計算することが重要です。

退職金を繰り上げ返済に回して、早めにローンを完済する方法もあります。

また、生命保険の見直しも検討しましょう。一般的に、老後は介護や医療面での不安が大きくなるもの。現役時代と同じ保険では心許ないと感じるでしょう。

判断能力のあるうちに、相続についても明確な意思表示をしておくことが大切です。遺言書を作成したり、生前相続などを検討したりするのも良いでしょう。

自分のこと

定年後にやりたいことを、家族や友人などに伝えておくことも重要です。

また、再雇用あるいは転職して定年後に働き続けるのか、趣味に没頭するのかといった自分の考えをきちんと確認しておきましょう。

老後の生活資金が不足しているのであれば、働き続ける必要も出てきます。週に何日働くのか、具体的にイメージしておくことで、貯蓄の必要性が明確になるのでおすすめです。

定年後の生活の落とし穴

病気やケガ

個人差はありますが、一定の年齢を超えてから体力の衰えを感じ始めたという方は多いです。気力に体がついてこないという話もよく耳にします。

60歳を過ぎると、体力や免疫力の低下、生活習慣病になるなど、これまで感じなかった体の変化が表面に出やすくなります。骨密度が減り、筋力が弱くなることで、ケガのリスクも高まります。

高齢になるにつれて体調を崩しやすくなるため、50代といわずなるべく早いうちから、生活習慣病の予防や体力づくりに励むことが大切です。

定年後の収入減

定年の年齢にもよりますが、定年退職後に働かない選択をした場合は、毎月の収入がゼロになるため、年金を受給できるまで貯金を取り崩して生活することになるでしょう。

再雇用や再就職で働き続ける場合も、若いころよりも収入が減るのが一般的です。再雇用制度の更新は1年ごとに行われるため、場合によっては更新されずに、収入が途絶えてしまう可能性もあります。

資金不足で生活が破綻することがないよう、定年後に最低限必要な生活費を細かく計算し、シミュレーションしてみることが大切です。

人間関係

これまで仕事中心の生活を送ってきた方は、定年後の人間関係も大きく変化するでしょう。

定年後に再雇用制度を利用する方も多いですが、肩書きや権限など、それまでの立場とは変わることも多く、以前は部下であった人物から雑務を依頼されることもあります。プライドが邪魔してトラブルに発展しないよう、再雇用後は現役社員のサポート役として、自分の職務を全うすることを心がけましょう。

また、完全に仕事から離れて年金生活を送る場合は、地域住民との触れ合いや、趣味を通じて知り合う人も増えていきます。家族と過ごす時間も多くなるため、より良い人間関係を築くには、程よい距離感を保ちながら、お互いにストレスをためずに楽しく過ごすことがポイントです。

定年後の生活設計の立て方

生活設計の手順

定年後のライフプランを立てるには、まず手順を決め、自分の意思確認や重要項目など、老後に起こり得るあらゆる状況を想定しながら進めていきましょう。

はじめに、生活資金や住宅ローン、孫の世話、仕事など、定年後の状況を具体的に考えます。次に、どこに重点を置いて生活するのかを決めます。夫婦の時間や趣味、ボランティアなど、自分の意思を基準に、重点を置きたい項目について考えましょう。

その後、持病や介護など、ライフステージに合わせて、段階別に健康状態に応じた行動や対策について考えていきます。

また、自分の希望がある場合でも、家族と同居しているなど、家族との関係性によって実現できないこともあるでしょう。実現可能なことであれば、資金面のことや、家族の気持ちも確認しておく必要があります。

1日のスケジュール

定年後の生活について、1日のスケジュールを作ってみることもおすすめです。定年後の生活設計ができたら、それを1日のタイムテーブルに落とし込んでみましょう。

仕事から離れる場合でも、起床時間や就寝時間、食事の時間などはこれまでと同じにするのか、趣味や習い事、家族と過ごす時間など、これまでできなかったことに、どれくらいの時間を費やす予定かなど、より具体的にイメージしながらスケジュールを組みましょう。

頭の中で考えていた老後の生活を、1日の予定として可視化することで、本当に実現できるのか、あるいは思ったより時間を持て余しそうといったことが見えてきます。