終活はいつから始めればいいのか?

終活を行う理由

「終活」は、「自分の人生の最期に向けて行う活動」という意味で、自分の死後に必要となる葬儀やお墓、遺言、遺産相続などの身辺整理を生前に行うことです。

以前は縁起が悪いとタブー視されてきた死後の話も、2010年に流行語大賞にノミネートされて以降は、「人生の末期について考えることで、現在をより良く生きられる」というポジティブな意味で世間に広まっています。

終活を行うことで、自分が亡くなった後の葬儀やお墓などに、どれだけの費用がかかるかを事前に把握できるため、老後の生活費を計算しやすくなります。さらに、身辺整理や、もしもの時の延命治療、臓器提供など、自分の意思を明確にしておくことで、残された家族が対応に迷わずに済みます。

自分の人生の最期をどのように迎えたいかを考えることで、人生設計を見つめ直すことにもつながるため、終活は年齢に関係なく大切な活動といえます。

終活を始める年齢やタイミングは?

一般に、60代から70代までに終活を始める方は多いようです。しかし、終活を始めるのに早すぎるということはなく、自分の好きなタイミングで初めてOK。最近では、40代・50代から始める方も増えています。

とはいえ、自分ではなかなか始めるきっかけが分からないという方は、以下のタイミング例を参考にしてみましょう。

終活を始めるタイミング例

定年退職した

定年を迎えた後は、仕事をしていた時期とは全く生活スタイルも変わり、1日の大半の時間を自由に使えます。セカンドライフについて考える時間は十分にあるため、気持ち的にも余裕を持って考えられるでしょう。そういう面でも終活を始める時期として、良いタイミングといえます。

終活を始める平均的な年齢が60代から70代に多いのも、同年代に定年退職する人が多い理由があげられます。

自分や家族の健康への不安

自分はもちろん家族が体調を崩したり、病気になったりしたときなど、健康に対して不安を抱いたときにも、終活を始めるタイミングとして良いでしょう。終活をきっかけに、健康に対する意識も高まります。

終活の項目には、医療や介護に関する内容もたくさんあります。不安の解消を目的に終活を始めても良いでしょう。

結婚した・子供が生まれた

配偶者や子供など、家族が増えるということは、自分に何かあった際に影響を受ける人がいるということです。家族が増えれば生活も変わることから、終活を考える機会とする人もいます。

結婚して子供ができるタイミングは人それぞれですが、大体20代から40代といった若い年齢です。そうした早いうちから終活について考え始めると、自分の終活スタート時期と、親の介護や終活を考えるタイミングが同じになる場合もあります。親の状況を目の当たりにすることで、自身の終活についてもじっくり向き合えるようになるでしょう。自分の終活を進めていく中で、親の終活を理解できたり、良いサポートにつながったりすることもあります。

大切な人を亡くしたとき

家族や友人など大切な人の死に直面したときは、耐えがたい喪失感を抱くと共に、その人の遺族のことを考えることもあるでしょう。そこから転じて、自身の終活を意識する人も多いです。

終活は、自分の理想とする人生の終わり方を叶えるための手段ですが、残される家族のためにできる最後の思いやりという側面もあります。ただ、あまり考え込み過ぎず、セカンドライフを充実させるための一つの方法と捉えることが大切です。

若い内から終活を始めるメリット

気力や体力がある

若いうちは気力や体力があるため、終活においてのさまざまな手続きを行なったり、計画を立てたりすることも容易にできます。特に財産分与をはじめとした財産管理に関するものは手間がかかり、高齢になってからでは、思うように事が進められないケースも。面倒な手続きほど、できるだけ気力と体力のあるうちに始めるのがおすすめです。

余裕を持って考えられる

趣味やお金、家族など老後の生活に関わることを早いうちから考え始めることで、気持ちにゆとりができ、自分の理想とするセカンドライフの実現にも近づくでしょう。

例えば、入居したい老人ホームを早いうちから決めておくことで、老後の生活をイメージしやすくなります。体の自由がきかなくなってから老人ホームを探すのでは、定員オーバーになる可能性もあり、自宅介護となれば家族も大変です。

最近は、設備やサービスの充実した老人ホームも増えてきました。実際、元気なうちから老人ホームに入居する人も大勢います。自分らしい老後を送りやすい環境が整ってきたといえるでしょう。

終活の進め方

終活を進めるにあたって決まりや順序というものはありませんが、一般的に多くの人が取り組んでいる内容について解説します。

エンディングノートを書く

終活の必須アイテムともなっている「エンディングノート」は、書くことで気持ちの整理ができ、これからやるべきことを発見することにもつながります。ノートには、残される家族や友人など、身近な人に伝えておきたい情報や自分の要望などを書き留めておきます。亡くなった直後の延命措置への考え方や、資産・相続など、なんでも書き留めておいて構いませんが、遺言書のような法的効力はありません。あくまでも、自分の死後に必要なさまざまな手続きについて、家族が対応しやすくなるような、ツールの一つという気持ちで書きましょう。

エンディングノートの基本的な内容

エンディングノートに最低限書いておくことは、自分自身や親戚、友人のこと、遺産に関すること、医療や介護の情報、葬儀・お墓のことなどです。

自分自身については、生年月日や本籍地、出生地、家族の名前、家系図などを記すほか、年金手帳や健康保険証、保険証券、パスポートなどの大切な書類の保管場所についても書いておくと良いでしょう。

親戚・友人については、葬儀の際に知らせてほしい人の名前と連絡先、自分との関係性などを書いておきます。

遺産については、通帳の銀行名や口座番号、貯金額、年金、不動産、貴金属などの遺産のほか、人に貸し借りしているお金があれば書いておきます。ただ、万が一エンディングノートを紛失して悪用されるリスクを避けるためにも、暗証番号や、クレジットカード番号などは書かないようにしてください。

医療や介護については、かかりつけの病院や常用薬のほか、終末期医療、臓器提供などについての希望を記しておきます。

葬儀の準備

葬儀の生前予約は、費用や葬儀の規模、支払い方法などを葬儀社と相談しながら進めていきます。自分の希望を葬儀に反映できるので、家族に負担をかけず、自分らしい葬儀にしたいと考える方に向いています。

葬儀の予算や形式が決まったら、喪主の希望などもエンディングノートに記しておきましょう。

お墓の準備

先代から受け継いだお墓がない場合は、墓地や墓石の購入をします。墓地の環境や立地を調べたり、実際に見学したりして、気に入った墓地を予約します。墓石は形やデザイン、石の種類、文字などを決めてお墓を作ってもらいます。

お墓の準備が整ったら、予算やお墓の場所、お墓を受け継いでほしい人なども、エンディングノートに書いておくと良いでしょう。

遺言書を書く

財産処分の方法など、遺産相続に関するトラブルを防ぐためには、「遺言書」が必要になります。遺言書は法的な文書として扱われるために、規定の形式があります。規定以外の方法で書かれたものは無効になりますので、正しい形式で遺言事項を書かなければなりません。

身の回りの整理

生前整理は「何を残すか」を決め、毎日少しずつ行うのがコツです。エンディングノートに記した書類などを、どこに保管したかわかりやすく整理したり、遺品整理の手間を省いたりといった目的で行います。

残したいものの中で、不動産の権利書や、有価証券、貴金属、骨董品などの財産は、保管場所を「目録」に記しておくと、家族が困りません。