自分のやりたいことに対して、定年退職後も意欲的に活動するシニア層のこと。主に65歳〜から75歳くらいの、前期高齢者を指しますが、その全てを「アクティブシニア」と呼ぶのではなく、中でも特に意欲が高く活動的なシニアのことをいいます。
アクティブシニアには日本の高度成長期に青春時代を迎え、高学歴化・都市化などの社会変化を体験してきた人が多く、消費文化を牽引してきたため流行に敏感です。ライフスタイルにも、こだわりを持つ人が多いとされています。
アクティブシニアはセカンドライフを楽しむために、趣味やショッピング、旅行などにお金をかける傾向が強いです。また、活発なライフスタイルを実現させるためには、健康維持が重要です。そのため、健康意識が高く、健康食品や運動器具、スポーツなどにもお金を使う傾向にあります。
消費傾向だけでなく、普段のライフスタイルにもアクティブシニアらしい特徴が見られます。
ゆるぎない自分を持っているアクティブシニアは、定年後も夢や目標を持つ人が多く、自分の価値観を元にしてライフプランを立てています。
明確なライフプランがあれば、数年先の目標も立てやすくなり、老後の人生に張り合いが出てきます。毎日を生き生きと過ごすための、モチベーションの維持にもつながります。
アクティブシニアのほとんどの人は、趣味など自分のためにお金を使う傾向にあり、日々の生活をとことん楽しんでいます。
株式会社あおぞら銀行が、2018年に55歳〜74歳の男女約2,000人を対象に行った「シニアのリアル調査」によると、「老後のことやお金に関する意識」について、「今を楽しむためにお金を使う」と回答した人が、50代後半では49.2%、60代では62.9%、70代前半では、70.5%という結果になっています。
現役世代の50代よりも、定年後の60代から70代前半までのアクティブシニアの方が、自分らしい生活を楽しむためにお金を使っている人が多いということが読み取れます。
アクティブシニアの多くは、やりたいことを思い描くだけでなく、実際に行動に移して自己を実現させていることも特徴の一つです。
趣味や旅行などの娯楽に積極的なアクティブシニアもいれば、自分の経験やスキルを、人のために役立たせたいと考えるアクティブシニアも多いです。いずれの場合も、思い立ったら即行動するのが、活動的なアクティブシニアの特徴といえます。
心身共に健康で、老後の資金も十分に蓄えているのであれば、より充実したセカンドライフにするには、どうすれば良いかも考えてみましょう。何をもって充足感を得られるかは人によって異なりますが、例として、アクティブシニアの生活をご紹介します。
お金がかかるか否かに関係なく、趣味を心から楽しんでいるアクティブシニアは多いです。定年前から趣味を持っている場合は、老後にたっぷり時間をかけられます。今まで時間がなくてできなかった、深い部分まで追求できるのが楽しいという人も多いようです。
現役時代に無趣味だった方でも、定年退職後に新しいことにチャレンジし始めたという人もいます。これまで興味はあったものの、時間の都合や金銭的な問題でできなかったことをやってみたり、友人がはまっていて自分も関心があることなど、周りの人の影響で始めたりすることもあります。
老後資金に余裕があるなら、「習い事」もおすすめです。絵画や楽器、英語、手芸、スポーツなど、身近にある教室を探してみるのも良いでしょう。
趣味を始めたことをきっかけに、友人や仲間が増えることもあります。趣味を楽しむことはもちろん、そこから新たな出会いが生まれることで、老後の生活がより充実したものになるでしょう。
老後の有り余る時間を利用して、国内旅行や海外旅行に行くアクティブシニアも多いです。中には、観光列車やバスでのツアーや、豪華客船でのクルーズ旅行を楽しむ人もいます。
宿泊を伴う旅行だけでなく、日帰りで気楽に行ける旅行もおすすめです。近場の観光名所でも、行ったことがない場所は意外に多いもの。そうした観光スポットを調べるだけでも楽しい気分になれます。
健康維持のために、運動やスポーツに打ち込むのも良いでしょう。近所の公園でウォーキングしたり、社交ダンスやゲートボール、ハイキングなど、地域のイベントに参加したりするアクティブシニアも多いです。
スポーツや運動をすることで、外出することが多くなり、他人とのコミュニケーションの機会を持つきっかけにもなります。
週3回など適度に体を動かすことで、体力の維持や脳の働きにも役立ち、より生き生きと老後を過ごせるようになるでしょう。
アクティブシニアの生活を潤いあるものにするには、健康管理は欠かせません。ただし、管理すべきは体だけではありません。心も体と同様に健康的に保つことが大切です。
厚生労働省が推奨する心の健康を保つ要素は、「適度な運動」「栄養バランスの良い食生活」「心身の疲労回復と充実した人生のための休養」の3つです。
体の健康維持のための要素が、結果的に心の健康を保つことにもつながります。以上の3つの要素を生活に取り入れ、心身共に健康的なアクティブシニアを目指しましょう。
近い将来、「人生90年時代」が到来すると予測されている昨今、アクティブシニアとして理想的なシニアライフを送るには、将来を見越した具体的な資金計画を立てることが大切です。
平均寿命まで生きることを考慮した生活資金と、自分がやりたいことを実現するための予算の両方を、確保しておくのが理想的です。
アクティブシニア世代の多くは、誌面やテレビなどのメディアだけでなく、インターネットを活用して情報取集をするため、とても流行に敏感です。
手軽にネット環境を手に入れられるツールとして、シニア向けのスマホを利用する人が増えています。最新の機種では、AIが組み込まれているものもあり、アクティブシニアの生活に大いに役立つでしょう。
心から楽しめる趣味などの生きがいを持つことは、アクティブシニアの生活を充実させることはもちろん、心や体の健康維持や、脳へ良い刺激を与える点でも重要です。
充実したシニアライフのために、自分が心底楽しめる趣味や生きがいを探してみましょう。
アクティブシニアの中には、ブログやSNSを活用し、日常で得た情報や自分の経験などを発信する人も多いです。無料で利用できるサービスも多く気軽にはじめられ、日記や写真を掲載したり、同じ趣味・嗜好を持つユーザーとやり取りをしたりといった目的で使われています。
興味がある方は、チャレンジしてみましょう。