社会保険労務士(社労士)は、会社で働く人が適正な労働環境で働けるように対処したり、社会保険制度を活用できるように支援するための国家資格。労働者と会社間の健全な雇用関係をサポートするスペシャリストです。労働・社会保険で生じる問題や労働者の年金の相談など、人事に関わる幅広い相談に応じます。
このページでは老後に再就職を考える方に向けて、人気の社会保険労務士(社労士)について、詳しく解説しています。
社労士は雇用や社会保険などの労働問題に関わる唯一の国家資格です。会社経営においては必ず必要なポジションで、需要が安定している職業だと言えます。資格を持っていれば、企業や組織に所属することで社内社労士として働けるだけでなく、独立開業して個人事業主として働き続けることも可能。時には弁護士をはじめとする他の士業と連携して働くケースもあり、活躍の場は幅広いでしょう。
また経験者は優遇される傾向があり、豊富な経験を持つシニア層をターゲットにした求人もあるほど、企業から求められています。
法律をベースにした業務のため、頻繁な業務変革が起きにくく、経験を生かして長く従事できるでしょう。法律改正の際もこれまで培った業務理解があれば、経験者ならではの適切な対応が可能です。
社会が社労士に対して求めることは、若さでなく正確な業務遂行能力であり、定年後も変わらず自分のスキルを強みとしてアピールできます。
社労士の平均年収は500万円程度とされており、全国の平均年収よりも高いのが特徴です。もちろん高額な給与を目指したい場合は、より多くの業務をこなす必要がありますが、自分の体調を考慮した働き方もできます。パートタイムであれば勤務時間を、個人事業主であれば契約企業数を調整することで、理想のワーク・ライフ・バランスを求められるでしょう。
社労士として働く上で、必要とされる知識やスキルは少なくありません。社会保険制度や労働基準法などの関連法規はもちろん、法改正に対しても常に把握して対処する必要があります。
業務の中には毎月の健康保険料といった計算も求められるため、大量かつ細かい計算業務を正確に行える冷静な処理能力も重要です。
社労士は労働者と対話しながら、労働が抱える問題にアドバイスし、解決へ導きます。また企業の事業主とは経営課題については話し合い、コンサルティングする場面もあるでしょう。社労士として働くには、様々な人と適切に対話できるコミュニケーション力が必要です。
状況によっては経営の苦しい事業主に対して、厳しいことを言わなければならない場合も。相手に誠意を持って接し、必要な事項を伝えられるかも重要なスキルです。社労士として働くためには、社会保険労務士試験を受けて合格する必要があります。
試験はマークシート方式で、科目毎の合格基準点に満たない場合は即不合格となるため、全科目で平均点以上を取るために幅広く対策する必要があります。合格率は一桁台と低いものの、合格のために満点を取る必要はありません。基準点を把握しておくと効率よく勉強が進められるでしょう。
試験合格後は、全国社会保険労務士会連合会へ登録すれば社労士として働けます。
企業に所属する社労士として働きたい場合、求人サイトを探す、派遣会社へ登録する方法が考えられます。あるいは自ら社会保険労務士事務所を開業するのもひとつです。
企業に勤めて安定した就労につくか、企業して自分で働き方を考えるか、自分にあった選択ができるでしょう。