海外からの観光客に、おもてなしの心で日本を案内する通訳案内士。シニア世代が通訳案内士として仕事をする場合の、時給相場や資格の取り方、求人の探し方などをご紹介します。
通訳案内士は、海外からの観光客などに対し、観光地を案内して日本の魅力を伝えたり、滞在中のサポートを行ったりする仕事です。資格がなくても通訳案内士の仕事を行うことは可能ですが、「全国通訳案内士」の国家資格を取得することで、仕事の幅が広がります。
正社員として勤務する方は少なく、フリーランスで活動する方や他の仕事と掛け持ちしている方が多い職業です。時間を自由に使えるという点では、子育てを終えたシニア世代に特におすすめと言えるでしょう。
また、海外からの観光客は、年齢も幅広く、それぞれにさまざまな背景を持っています。いろいろな方に対応する必要があるため、ご近所付き合いや学校、保護者同士、仕事などで培ってきた対人能力も大いに役立つでしょう。
実際に通訳案内士として活動しているシニア世代の方は、同世代のお客さんが多いことから、お互いの仕事や家庭の話に花が咲くことも常です。「観光客の喜ぶ顔を見て、幸せな気分になった」という声もあり、人とのつながりが感じられる、やりがいのある仕事といえます。
自分の旅行経験を活かせます。旅行業の仕事をする場合は、観光客を楽しく安全に案内する必要があるため、旅行経験が多い方にはとても有利です。旅行が趣味というかたは、ぜひ通訳案内士の仕事にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。また、海外生活の経験があり、英語が話せる方にもおすすめです。
通訳案内士の仕事をするには、高い語学力があることはもちろん、日本の知識に詳しくなければなりません。旅行好きの方であれば、その土地の地理や歴史に詳しい方が多いでしょう。
また、おもてなしの心を持つことや、体力も重要です。
「全国通訳案内士」の試験は、年齢や性別、学歴を問わず受験できます。第1次試験は、毎年8月下旬から9月上旬にかけて行われ、「外国語」「日本地理」「日本歴史」「産業・経済・政治・文化」に関する一般常識の4科目を実施。
第2次試験は、口述試験となっており、1次試験の合格者のみ受験資格を得られます。2次試験は毎年12月上旬から中旬にかけて行われます。
通訳案内士の仕事は、旅行代理店や旅行会社などにフリーランスとして登録し、仕事を斡旋してもらうのが一般的です。また、派遣会社に登録して、自分を売り込む方法もあります。通訳案内士の仕事をはじめたばかりの方は、積極的に研修を受けたり、旅行会社へ自分で営業をかけたりなど、仕事をもらうための努力が必要になります。