アラフィフ世代になってくると、住宅ローンの終了や子どもファミリーと同居するために二世帯住宅を検討する機会が多くなります。住宅ローンの終了と共に火災保険の契約が切れ、二世帯住宅のローンを組むため新たに火災保険に加入する。アラフィフ世代はまさに、火災保険を見直すベストなタイミングです。
火災保険を見直す機会はめったにないので、この機会に火災以外の災害にも対応した保険への加入や、火災保険に付帯されている地震保険についても内容や特徴を把握しておきましょう。
火災保険は火事などの災害を補償する保険ですが、加入は必須ではありません。災害に備えて火災保険に加入するか、しないかは人それぞれです。しかし、以下で説明する火災のリスクを踏まえると火災保険に加入しておくほうが良いでしょう。
総務省消防庁のデータによると、2019年1月〜12月に発生した火災の総件数は37,538件で、1日あたり103件の火災が起こっていたことになります。火災の原因1位は「たばこ」で、2位は「たき火」、3位は「こんろ」、4位が「放火」です。
我が家にはたばこを吸う人がいないし、オール電化でコンロもないという方でも「放火」だけは自分で防ぐことができません。とくに一戸建ての場合は木造住宅が多く、小さな火種でも周囲に燃え広がりやすくなります。だからこそ、万が一に備えることが大切です。
火災保険に加入していない住宅が火事で全焼してしまった場合、住宅を建て直す費用に加えて家財を購入する費用が発生します。住宅ローンがある方はローンの残債だけが残り、自宅兼仕事場にしている方は家と共に仕事場まで失ってしまいかねません。
また、自宅だけでなく隣家に延焼してしまうと隣家に対しての責任を負うことにもなります。出火原因が「放火」の場合は防ぎようがありませんが、「寝たばこ」や「コンロの消し忘れ」の場合には重過失とみなされて、損害賠償請求をされる可能性もあるのです。
火災保険の補償対象には「建物」と「家財」があります。持ち家の方は建物と家財の両方を契約し、賃貸住宅の方は家財のみを契約するのが適切です。
火災保険における建物の補償範囲は建物本体、門、塀、車庫、物置などで、家財の補償範囲は電化製品、家具、食器、衣類、宝飾品、美術品などです。ただし、1個または1組の値段が30万円を超える宝飾品や美術品に関しては、火災保険の契約時に申告し、保険証券に明記しておかなければ補償の対象とはならないので注意が必要です。
火災保険にはいくつかの種類があり、契約する保険によって補償内容が異なっています。ここでは、住宅火災保険と住宅総合保険について解説します。
住宅火災保険は最も一般的な保険で、補償範囲は次のものに限られています。
総合火災保険は住宅火災保険よりも補償範囲を広げた保険で、住宅火災保険の補償に以下のものが追加されています。
最近は大雨による水害が多いので、お住いの地域の状況に合わせて火災保険を選ぶことが大切です。
あらゆる災害の補償に対応している火災保険ですが、地震、噴火、津波による損害の補償には対応していません。これらの災害については火災保険に付帯されている地震保険に加入することで補償できます。
地震保険の補償範囲は建物と家財です。地震の多い日本に暮らしているので、火災保険への加入と同時に地震保険も検討しておくのが良いでしょう。