心が伝わるコミュニケーションツールとして使われる「絵手紙」は、ひそかにブームとなっている趣味のひとつでもあります。
誰かに送る、部屋に飾る、コンテストに応募するなど、目的を持って描くことで張り合いも生まれるでしょう。
「墨」や「水彩絵の具」のイメージが強いですが、絵手紙を描く際に使う画材には、これといって決まりはありません。筆ペンや色鉛筆でも構いません。家にあるものや自分が使いやすいものを使って、気軽に描いてみましょう。
もっと本格的に描きたいと思ったら、自分の絵のイメージに合わせて、使う画材を揃えましょう。日本画で使われる「顔彩」や、水彩絵の具、墨などを使うと、より雰囲気のある絵になります。
一般的に絵手紙で使われている用紙は、「画仙紙」と呼ばれる紙で、墨汁の吸収力が良く、滲みやかすみの表現がしやすくなっています。文具店や100円ショップで販売されています。
画材によっては官製はがきを使って描くことも可能ですが、表面がツルツルとしているため、描きにくいと感じることもあるでしょう。また、画用紙をハガキの大きさに切って使うのも良いです。
「果物」や「野菜」をはじめ、「野の花」「街並み」「ペットの表情」など、普段何気なく目にしているものを描くことで、自分らしさを伝えられます。日常で起こったできごとをモチーフとしても個性が表現できて面白いでしょう。
旬の野菜や果物、魚などを描いてみるのも季節感があって良いものです。また、野菜や果物、花、風景など、季節ごとにモチーフを変えることで、送られた相手の心も弾むでしょう。
いずれにしても、モチーフの形や色、角度などをよく観察してから描くとより素敵な絵手紙に仕上がります。
絵手紙に思い浮かんだことや事前に考えていたことを一言添えるだけでも、その印象が大きく変わります。ニュースのコメントや、歳時記などを参考にしても良いでしょう。
電話やメールでは恥ずかしくて言いにくいことでも、絵手紙にするとすんなり言えることもあります。例えば、独り立ちして離れて暮らす子どもに「ちゃんと食べてるの?」「疲れてないかい?」と一言添えるだけでも、送られた相手は胸がじんわり温かくなり、うれしく感じるものです。
文字を書く際は文字を絵の一部と考えて思い切って書くと、雰囲気のある絵手紙に仕上がるでしょう。
絵手紙は絵の上手下手ではなく、送りたい相手への気持ちが大切です。自分らしい味のある絵を目指しましょう。また、絵手紙の公募も開催されているようですので、慣れてきたころに応募してみると楽しみの幅が広がります。