「老後貧乏」という言葉がありますが、お金がない高齢者が増えていることをご存知ですか?2人以上の世帯では60代が23.7%、70歳以上は31.1%が「貯蓄がない」という状況のようです。年金が減っていく一方で、平均寿命は伸びていく私たち。老後貧乏にならず安定した暮らしを手に入れるためには、どのような対策が必要なのでしょうか?
そこで今回は、老後貧乏になる人の特徴と、老後貧乏を避けるための対策について紹介します。
50歳や60歳を過ぎてから「貯蓄がない」という人たちには、決まった特徴があります。老後貧乏になる原因を探り生活を改善して、「お金が貯まる人」を目指しましょう。
20代は給与が低く、30代40代では家族の生活費や子どもの教育費で自由に使えるお金はわずか。50代になって子どもが独立し、生活にゆとりがでてくる人は多いでしょう。いい車を買ったり外食が増えたりして、気づけば定年間近なのに貯金がないと焦りはじめるのが、老後貧乏になる典型的なタイプです。
現役時代はそれなりに収入があるので問題ありませんが、定年後は65歳まで働いたとしても6割程度のお給料しかもらえません。このとき節約の習慣が身についていないと、収入と支出のバランスが崩れ赤字家計になってしまうのです。
住宅ローンやカーロンの返済に、退職金を使おうとしていませんか?またお金を増やそうと投資に踏み出す人もいますが、慣れない投資に失敗する人も少なくありません。
退職金は老後のための資金として、手をつけない方が得策です。老後は、年金と貯蓄をメインに生活していくことになります。退職金はこれからかかるであろう医療費や介護費として、しっかりと管理しておきましょう。退職金をまるまる残しておけば、数年に1度は家族旅行に行けたり、孫に援助できたりして、生活にもハリが出るでしょう。
子どもに最高の教育環境を与えてあげたいと思うのが親心です。しかし教育費にお金をかけ過ぎて、老後に子どものお世話になるのは本末転倒ではないでしょうか。子どもが楽しんで通っているならいいですが、中には親の一方的な方針で嫌がる子どもに習い事を押し付けているケースもあります。子どもや孫への過剰な援助には注意が必要です。
老後貧乏になる人の特徴が分かったところで、老後貧乏にならないための秘策を解説します。
住宅ローンは30年や35年で組んでいる人がほとんどです。購入した時期が30歳を過ぎていた場合、定年後もローンを払い続けなくてはいけません。仕事を辞めると年金しか収入がありませんから、そこからローンの返済をすると残される金額はどのくらいになるでしょうか?
また病気や介護で出費がかさんで、返済ができない人も多発しています。そうならないためにも、今のうちから繰り越し返済をして、定年までには完済できるよう計画を立てましょう。
現役時代は急な出費があっても、ボーナスで補填できるため生活は苦しくありません。しかし定年後のマイナス分は退職金や貯金から支払うことになるので、残高は着実に減っていきます。定年後はできるだけ貯金を減らさないことを心掛けることが大切です。支出が収入を上回っていないか、毎月の家計を把握しておくようにしましょう。
年収600万円以上の世帯が老後破綻してしまう原因のひとつが、「節約ができない」ことです。国税庁の「民間給与実態調査」によると、日本人の平均年収は436万円。そう考えると老後もゆとりがあるかに思えますが、「少しいい食材」「少しいい洋服」と、出費がかさんでしまうのが年収600万円クラスです。
またこのクラスは毎月のコツコツした積み立てに対し、「これくらいのお金なら積み立てる必要はない」と軽視してしまいがち。毎月1万円を積み立てて100万円にするには、8年2ヶ月も必要です。お金を貯めることの大変さが理解できたら、今すぐ積み立てをスタートさせましょう。
参照元:国税庁 「民間給与実態統計調査」 https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan/top.htm
50歳を過ぎると人間関係も見直しが必要です。交友関係の低い人とは距離を置き、人生において大切だと思える人と密な関係を図るようにしましょう。そうすることで、無駄な支出や時間を大きく減らすことができます。
前職の同僚、前前職の同僚、習い事で知り合った人、ゴルフ仲間、ママ友、多くの人との関係を維持するにはその分だけ経費も必要です。大切な人たちだけと関係を続けることで支出を減らせます。
子どもが手を離れ時間にもゆとりがでたら、仕事を始めてみるのはいかがでしょうか?正社員としてフルに働く必要はありません。まずは週に何日かでも社会復帰することで、生きがいや収入を得る喜びが味わえます。
家でテレビを見て過ごすよりも、外に出て働くことで健康寿命も長くなるかもしれません。老後貧乏にならないためにも、年金以外の収入を確保しておくことが大切になってきます。