竹川美奈子さん

竹川美奈子さん

「50歳から始める!老後のお金の不安がなくなる本」という、まさにミュゲ世代の女性のためのお金の本を出版されている竹川さん。

50歳からで間に合うの?何ができるの?そんな風に考えている女性は必読です。

Muguet
編集部

書店で「50歳から始める!老後のお金の不安がなくなる本」を見つけて、「50歳でもいいんだ!」という驚きがありました。実際、間に合うんでしょうか?

竹川さん

もちろん資産形成は早く始めた方が良いですが、50歳でしたら、まだ十分間に合います。

今は65歳までは働く方も多いと思います。仮に50歳の人は65歳まで働くとしたら、15年という時間があります。この時間を有効に活用しましょう。働いて稼いだお金の一部を貯蓄や投資に振り向けていただきたいです。

Muguet
編集部

少し安心しました。

竹川さん

皆さん、年に1回お誕生日月に「ねんきん定期便」が届いているはずです。50歳からは同じ条件で60歳まで働いた場合の見込額が記載されているので、確認してみましょう。できれば、日本年金機構のホームページから「ねんきんネット」にも登録してほしいです。過去の履歴もみられるし、条件を変えて見込額を試算することもできます。

会社にお勤めの方は、勤務先の退職給付制度、退職一時金や企業年金などについても、「いつから」「どのように」「いくら」受け取れるのかを調べてみるとよいですね。60歳以降に受け取れるお金を整理してみてほしいです。

とにかく、「ねんきんネット」にはすぐ登録してほしいです!(笑)。

竹川美奈子さん
Muguet
編集部

書籍では、章の終わりに「『ねんきんネット』に登録した」などのチェックリストが必ずありますね。

竹川さん

公的年金などの仕組みを理解することは大事ですが、それ以上に「自分ごととして考えること」「行動すること」が大切です。章末のチェックリストを見て、行動してほしいです!

Muguet
編集部

すごくわかりやすいです。書籍の中では、投資信託のお話なども書かれていますが、投資アレルギーというか、苦手意識がある人も多いですよね。

竹川さん

現時点で金融資産がそれほどない人(世帯)はまずはお金を貯めるしくみをつくりましょう。給与振込先の銀行口座から、毎月一定額を自動的に定期預金に積み立てていきます。会社員の人はお給料日の翌日などに積立日を設定しておけば、強制的に先取り貯蓄ができます。そして、残ったお金で生活をする癖をつけましょう。

金融資産はそこそこあるけれど、すべて預金に預けっぱなしという人は、金融資産の一部で世界の株にまとめて投資できる投資信託を購入して長期で保有してもよいでしょう。加えて、これから得られる給与の一部を積み立て投資などに振り向けていきましょう。

Muguet
編集部

なるほど。

竹川さん

焦ってとにかく投資でふやそう、というより、すぐに使わないお金を企業の事業資金として回す(循環させる)という視点も大事ではないでしょうか。例えば、投資信託という金融商品を通じて、たくさんの会社に投資を行うとします。その会社がよりよい商品・サービスを提供し、将来、利益成長や企業価値が向上すると、会社の株価が上がったり、利益の一部を配当等して受け取ったりという恩恵を(間接的な)株主である私たちは享受できます。

ただ、投資の果実を得る(企業価値の向上)にはそれなりの時間がかかります。逆にいえば、時間と心に余裕を持てる、というのが大前提です。無理に投資をしても、短期的に値下がりしたときに怖くなってやめてしまっては、むしろ資産を減らすことになりかねません。

竹川美奈子さん
Muguet
編集部

お金のことを真剣に考えるということを避けがちな方もいると思うのですが、そんな方の背中を押すために、今まさに考えた方がいいよというメリットを教えていただきたいです。

竹川さん

いつ天寿を全うするかは誰にもわかりません。想定以上に長く生きられるかもしれない。生きてる間は楽しく暮らしたいですよね。そのためにも、現状を知ることで、不安は早めに払拭した方がいいと思います。

今や女性のうち、2人に1人は90歳まで生きる時代ですからね。

家計の収支や資産・負債を把握したり、60歳以降に受け取るお金を整理したりすることが大切。そうすることで、「充分やっていけそう」、あるいは「月に数万稼げれば生活できるかな」とか、そういうことが具体的にイメージできると、少し安心できるはずです。

Muguet
編集部

90歳…定年してからも長いですね。

竹川さん

そうなんです。だから、今受け取っているその報酬やお給料を、今の自分から将来の自分へプレゼントしていく。今楽しく使うだけじゃなくて、将来の自分も楽しく暮らせるようにしてあげる。そんな感覚も必要ですよね。

Muguet
編集部

なるほど!なんだかタイムカプセルのようでいいですね。

竹川さん

資産は、金融資産だけを指すものではないと思うんです。

金融資産は、友人や仲間、健康といった色々な資産の中のひとつ。

その資産を積み上げるために何しますかというときに、お金だけでなく、健康や仲間づくり、趣味などにも投資していくという選択肢もあります。

そう思うと、お金をふやすことだけに時間をかけるのはもったいないと感じませんか?

今が人生で一番若い日なわけですから、早いうちから資産形成を始めて、それ以外のことに使える時間を費やせるように、ぜひ今日から行動してほしいと思います。

Muguet
編集部

今日から始めます!

撮影・取材/Muguet編集部

編集部より

切っても切り離せない
お金のこと

人生において、お金のことを考えないフェーズというのはありません。とくに、老後となるとなおさら不安になるはず。

でも、その不安は「知らないから」なのかもしれません。自分が年金をいくらもらえるのか、何歳まで今の会社で働けるのか、そういったことがクリアにならないうちに、勝手に不安になっていることほど、意味のないことはないなと、竹川さんのお話を聞いて反省しました。

楽しい老後のために、今からお金のことを考えましょう!

竹川美奈子さん

50歳から始める-老後のお金の不安がなくなる本

50歳から始める!老後のお金の不安がなくなる本

「老後のお金の不安をなくす」ポイントを、さまざまな面から解説。第1章「公的年金は長生きリスクに備える最強の保険」、第2章「意外と知らない退職給付(退職金・企業年金)制度」、第3章「人生を通してお金をふやし、楽しく使うための『管理術』」、第4章「非課税制度を活用!自分でも老後資金を準備」、第5章「公的年金や企業年金、iDeCoの資産をどう受け取ればよいか」、第6章「『自分で準備』してきた分をどう引き出すか」。

それぞれの章のラストに「チェックリスト」があり、確認すべきこと、やるべきことが一目瞭然。

※書籍名をクリックするとAmazonに飛びます