シニア世代の間でひそかなブームとなっている自分史ですが、果たして自分史は何のために作るのか、疑問に思う方もいらっしゃるでしょう。
ここでは、老後の趣味として自分史を作るメリットや、自分史の書き方について紹介します。
自分の半生や生涯の出来ごとを、文章や写真でまとめたものを、自分史といいます。
自分史は定年退職後に、自分が近い将来、認知症になった場合に備えて、あるいは終活の一つとして取り組む方が増えています。自分史は、自分を見つめ直す際の便利なツールとして人気です。
これまでの人生で自分が体験したことは、当然ながら自分がいわない限り、自分以外の人には知る術がありません。自分史を残すことで、その体験は家族や友人、さらに子孫にまで伝えられるメリットがあります。自分史に書かれていることが、もしかすれば、価値のある考えや知恵として、後世に生きる人たちの貴重な資料となる可能性もあるでしょう。
自分史を作る際は、自分の体験を思い出しながら文章に書き起こしていきます。記憶をたどるなかで、自分という人間を再認識でき、過去に体験した出来ごとについて、当時とは違う解釈が得られることもあるでしょう。例えば、後悔や嫌悪をともなう辛い体験でも、改めて見つめ直すことで捉え方が変わるかもしれません。新たな気づきが得られることで、その後の人生はより豊かなものとなるでしょう。
現役時代は忙しい日々を過ごすなかで、趣味や好きなことを諦めてきた方も多いのではないでしょうか。定年退職後の豊富な時間を使って過去を振り返ることで、当時の記憶が掘り起こされやりたいことや生きがいの発見につながる場合もあります。
自分史の書き方は自由ですが、事前にどんな内容をどのような順番で書くか、全体の構成を考えると良いでしょう。
自分史で使われることが多い構成。生まれてから現在に至るまでを、時間の流れに沿って書き出していくという方法です。文脈を気にする必要がないため、比較的書きやすくなっています。
自分の人生の中でいくつかのエピソードに絞り、テーマを決めて、それに沿って物語を書く方法です。年表方式より難易度は高くなりますが、自分が伝えたいテーマが明確になります。私小説のような自分史に仕上げたい方におすすめの形式です。
終活ブームの影響で、エンディングノートのような形式で、自分史を作る人も増えています。相続に関連した内容に加え、自分の意思を記述しておくと良いでしょう。